競輪予想の的中率を上げるには「競輪場の特徴」「ライン」「選手の実力」など、さまざまなファクターを取り入れる必要があります。そのなかでも最も外せない重要なファクターとなるのが「ライン」です。
競輪は個人戦でありながらも、「ライン」と呼ばれるチームのようなものを作り、お互いが協力しあってレース展開を進めていくため、「ライン」が競輪予想には必要不可欠なファクターとなるのです。
しかし、この「ライン」についてはきちんと理解していますか?特に競輪初心者の方であれば、「風の空気抵抗を避けるため」と言った知識しかないのではないでしょうか?
また、予想に必要なだけではなく、競輪は「ライン」があるからこそ選手同士の戦略を駆使した戦いが生まれます。
そこで、この記事では「ライン」とはなにか?ラインの仕組みや組み方など、競輪を見るうえで必要不可欠なラインについて解説していきます。
目次
競輪のラインとは?
まずは、予想のファクターとして欠かせない「ライン」とは何かを知っておきましょう。
競輪は選手個人が1着を争う個人競技ですが、選手が自分の得意とする脚質などを有効に使えるように、チームを組んでお互いが協力しあってラインを組みます。そして、このお互いに協力するチームのことを「ライン」と呼ぶのです。
選手個人が個々に戦うのであれば、選手の実力だけで勝敗が決まってきますが、競輪にはこのラインがあるからこそ、戦略を練った戦いが見れる見どころとなるのです。
「競馬や競艇と同じような公営競技ではないのか?」と思う方もいますが、なぜ競輪はチームのようなものを作るひつようがあるのでしょうか?
その一番の理由は、レース中に浴びる空気抵抗の影響です。
競輪は人間が漕ぐ自転車でレースしますが、その速度は自動車と変わらない「時速70km」ものスピードで走ります。そのため、先頭を走る選手は強い空気抵抗を受けてしまい、不利な状況になりがちです。
そこで、ラインと呼ばれるチームを作り、先頭で走る選手が風よけの役目も持ち、後ろを走る選手らの空気抵抗を防いでいます。
これを聞くと、後ろの選手が有利なように思えてしまいますが、後ろの選手が必ず勝つというわけではなく、風よけの役目を担う先頭の選手が1着になることも少なくありません。
そして、ラインそのものは何なのかという事を理解すれば、競輪のレースでの駆け引きをさらに面白く見れるようになるでしょう。
競輪のラインでの各選手の役割
次は「ライン」における、各選手のポジションや役割を確認していきましょう。ラインを組む選手は位置づけるポジションでそれぞれ役割が異なります。
各選手の呼び方としては、先頭の選手を「自力選手」、その後ろを走る選手を「番手」、さらにその後ろを走る選手を「3番手」と呼びます。
各ポジションで役割が異なるからこそ、ラインが成り立ち、お互いに協力しあえるわけです。
また、ポジションによっては車券に絡みやすい、絡みにくいなどもあるので、ラインのポジションなどを理解するだけでも、車券の軸にする選手もおのずと見えてくるでしょう。
それでは、「自力選手」「番手」「3番手」の各役割を見ていきましょう。
先頭を走る自力選手の役割
まずは、ラインの先頭を走る「自力選手」の役割を覚えていきましょう。
先程も簡単に説明した通り、ラインの先頭を走る「自力選手」は空気抵抗を一番にうけながらも、ラインを引っ張っていかなければいけないので、ほかのポジションを走る選手よりも多くのスタミナが必要となってくるでしょう。
そのため、スタミナを豊富に持つ選手や実力上位の選手が「自力選手」を担当することがほとんどです。
ラインは自力選手の動きによって、良いポジションが取れるかどうかも決まってくるといっても過言ではありません。
そして、自力選手は先頭を走っているだけあって車券に絡む可能性が非常に多いです。
また自力選手は「逃げ」や「まくり」を得意とする選手が多いので、競輪場の特徴やバンクの特性と組み合わせて車券予想していくと良いでしょう。
2番目を走る番手選手の役割
次は、自力選手の後ろを走る「番手選手」の役割を覚えていきましょう。
「番手選手」の一番の特徴は、なんといっても自力選手の後ろで風の抵抗をあまり受けずに走れるため、スタミナを残しながらレース終盤を迎えることができます。
そのため、ゴール直前に差しを決めたりなど、1着になることが多いポジションです。
そして、この「番手選手」の役割は外からくる他のラインをブロックする役割があります。主に身体を使ったブロックやけん制、進路を防いだりなどがメインです。
また、番手選手は「差し」だけではなく、「まくり」「マーク」などのありとあらゆる決まり手で1着を狙います。
3番目を走る3番手選手の役割
最後は、「番手選手」の後ろを走る「3番手選手」の役割を覚えていきましょう。
競輪のレースでは基本的に「自力選手」や「番手選手」が車券に絡むことが多く、「3番手選手」が車券に絡むことはあまりありません。そのため、3番手選手が1着などになった場合は大荒れなレース結果となるでしょう。
そんな3番手選手の役割は、ラインの内側からせめてくるほかのラインを防ぐ役割をになっています。
競輪は同じ人間同士がバンクを走るため、どうしても内枠の短距離を走り続けた方が有利になります。そのため、3番手の選手はほかのラインに内側を取られないように死守するわけです。
内側を守るという重要な役目も持ちながらも、車券には絡みづらい3番手選手ですが、万車券を狙っていきたい場合には車券に加えてみましょう。
競輪のラインは個人戦の展開予想も重要
競輪のラインでは、「自力選手」「番手選手」「3番手選手」がそれぞれの役割を全うしながら、良いポジションを取るために協力しあっています。
しかし、最終的に選手たちは自分が1着になることを目指しているため、ゴールまでラインのままというわけにはいきません。
では、どのタイミングから競輪は個人戦のような展開となってくるのでしょうか?
それは、最終周の最終コーナーあたりからです。
そのタイミングを機に、選手らはラインから離れ、自分の戦略によってそれぞれが一着を目指します。
この戦いが競輪の一番の見どころといっても過言ではないでしょう。
そして、競輪予想ではこのタイミングの展開予想も重要になります。
競輪のラインは地域など同じ条件の選手で組まれる!
上記では、ラインの概要や各ポジションの役割を説明しました。競輪の「ライン」は非常に重要で、各ポジションがしっかりと役割を担っていることが分かって頂けたかと思います。
しかし、競輪のラインは適当に組まれるわけではなく、お互いに理解しあえた関係でなければライン本来の強さを発揮することはできないでしょう。
そのため、何かしら共通点のある選手同士で組まれることが多く、「同じ登録地区」「競輪学校時代の同期」「近い地区」というような選手同士で組まれる傾向が強いです。
ラインの組み合わせについては基本的に事前に発表さますが、「コメント」や「登録地」などからもおおよその組み合わせを予測可能なのも覚えておきましょう。
競輪のラインの種類を知る方法
上記では、ラインが組まれやすい条件について説明しましたが、「近い地区ってなに?」と思われる方もいるかもしれません。
「同じ県」であれば、出走表を見ればすぐに分かりますが、「近い地区」となると、どことどこの県の選手が組まれるのかわからないですよね。
基本的には以下のような8つの地域に振り分けられるので覚えておきましょう。
■北日本ライン
- 北海道
- 青森県
- 秋田県
- 岩手県
- 山形県
- 宮城県
- 福島県
■関東ライン
- 東京都
- 埼玉県
- 群馬県
- 栃木県
- 茨城県
- 山梨県
- 長野県
- 新潟県
■南関東ライン
- 神奈川県
- 千葉県
- 静岡県
■中部ライン
- 愛知県
- 岐阜県
- 三重県
- 富山県
- 石川県
■近畿ライン
- 京都府
- 大阪府
- 兵庫県
- 奈良県
- 滋賀県
- 和歌山県
- 福井県
■中国ライン
- 広島県
- 山口県
- 岡山県
- 島根県
- 鳥取県
■四国ライン
- 愛媛県
- 香川県
- 徳島県
- 高知県
■九州ライン
- 福岡県
- 熊本県
- 長崎県
- 佐賀県
- 大分県
- 鹿児島県
- 宮崎県
- 沖縄県
まとめ
この記事では競輪のラインとは何か、ライン内の各ポジションの役割、ラインの組み合わせの知り方を説明してきました。
ラインは競輪のレースを見るだけでなく、車券予想をする際には非常に重要な要素となってきます。ラインの中の各選手の役割をしっかりと理解、誰と誰がラインを組むのかを知ることで、レース展開の予想をすることは不可能ではないでしょう。
是非この記事を読んで「ライン」の基礎知識を身に着け、車券予想に役立ててください。