日本で競輪と聞くと、ギャンブルが先にイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし競輪には、ギャンブル以外でも世界に広まっているケイリントラック競技が存在します。
トラックの中を猛スピードで駆け抜けて、順位を争う競技です。
オリンピックの種目にもなっており、世界中でケイリン選手は多く存在します。
今回は、過去のあったUCIトラックワールドカップの後続に設立したUCIネイションズカップについて詳しく紹介します。
目次
新たに開催決定した「UCIネイションズカップ」とは
UCIネイションズカップとは、過去のあったUCIトラックワールドカップというケイリンの大会の後に、新規の大会として決定が開催されたケイリンの大会です。
現段階の開催開始予定は、2021年3月からになっています。
過去のUCIトラックワールドカップとは、変更点も多くあり、選手の肉体的の疲労度やスケジュールの過密度なども変わっています。
また、競技の内容も少し追加される予定なので、参加検討中の選手からも困惑の声がでています。
今回は、UCIネイションズカップの内容を解りやすく解説します。
ネイションズカップは年3回で春〜夏の開催が変わる
UCIトラックワールドカップは過去に開催されていた大会ですが、あたらに開催が決定したUCIネイションズカップは年間に3回開催され、期間は3月から9月の間になります。
大会は、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの自転車競技連盟が企画しているのです。
今までのUCIトラックワールドカップは、連続して週末に大会が開催され、過密なスケジュールから選手たちの負担が多くありましたが、今回は半年の期間で3回の開催になりましたので、肉体的にも余裕ができる選手たちには評判が高くなっています。
UCIネイションズカップは3日間で8種目で競う
UCIネイションズカップはLIVE中継されながら3日間で8種目で競います。
種目は下記の通りです。
■チームパシュート
■チームスプリント
■個人パシュート
■個人スプリント
■ケイリン
■1km・500mタイムトライアル
■マディソン
■オムニアム
競技の種目は上記の8種類でUCIトラックワールドカップと同じですが、これに加えて種目の追加も検討されています。
この大会の運営は、ケイリンの新規ファンの獲得を考慮して、みんなが魅力的な大会だと思ってもらえるような大会を目指しているようですね。
新しい大会で選手は困惑する?
今回、この大会が実施されると夏季はUCIネイションズカップで、冬季はワールドリーグとなるため、過去のケイリントラック競技とは大きくスケジュールが変わります。
UCIネイションズカップは、各国の小さな世界大会とも称されているくらい重要なレースになっています。
しかし、選手たちは年間3回の開催とはいえ、中距離から長距離のレースを繰り返すことで負担が大きくなることは事実でしょう。
そのため、選手間では困惑する声が上がっています。
UCIネイションズカップはトレードチームが出場できない
昨年2019年6月20日に発表され、UCIネイションズカップの自転車トラック競技は大きな改変されました。
上記で紹介したように、時期の変更と名前も変わりました。
また、UCIネイションズカップにはトレードチームが出場できないことが1番大きい変更点と言えます。
運営サイドは、BEATやHUUB、dream SEEKER等トレードチームがワールドカップ出場除外、大会数縮小などUCIがトラック競技大会を大幅変更を発表しています。
その変更を受けて、BEAT Cycling Club、HUUB Wattbikeはルールの変更に不満があり、後日に抗議内容を発表しています。
今回のトレードチームが出場できない事象について、UCI側は正式な理由を説明していませんが、抗議内容を受けて、再度変更される可能性もありますので、注意してください。
ケイリン選手は出場の回数が減る!?
上記で説明したとおり、BEAT Cycling Club、HUUB Wattbike側は、UCIネイションズカップにトレードチームが出場できない事象について、世界大会でのポイントを獲得して次のステップに挑戦しようとしていた選手が出場回数が減ってしまうので、大きな影響を受けています。
その中でも、短距離界で有名のオランダチームはBEAT Cycling Clubが主軸のチームになっており、このルールだとチーム自体の出場枠が少なくなってしまうでしょう。
また、この悩みはHUUB Wattbikeに所属するイギリスの選手も同じです。
このままでは、有力な選手たちもレースの出場機会を失ってしまうので、今後の方針については、UCIネイションズカップの発表を待ちたいと思います。
出場機会がなくなり、存続できないチームもある
HUUB Wattbikeで活躍するアメリカの個人パシュート世界記録保持者アシュトン・ランビー選手なども出場機会を失ってしまう可能性などもあります。
そうなると、各国で強豪チームに所属する選手たちも出場機会を失うことが考えられるため、チーム全体のスポンサーなどが減ってしまうでしょう。
結果的に、チームの勢いが低下して、そのままチームが存続できなくなってしまいます。
これはどのチームも大きな問題であり、ロードレースに所属している選手たちは死活問題に発展します。
大きな大会で、出場機会が無くなるとチームの運営に関して収入も下がってしまうため、世界で活躍できるような才能のある選手たちも、将来的に厳しい部分も多くなります。
そのため、ロードレースの選手たちはUCIネイションズカップの参加を自ら拒否して、ロードレースだけに出場する方向に判断する可能性も考えられます。
日本の自転車競技の将来も関わる
では、UCIネイションズカップに参加する日本のトレードチームはどうなるでしょうか。
昨年にUCIトラックワールドカップに参加していたチームは、dream SEEKER、JPC、TEAM BRIDGESTONE CYCLINGです。
このチームは、日本のチームでも活躍する選手で構成されており、UCIポイント獲得やケイリン選手としての実績を積むために大会に出場していました。
日本の選手も、ケイリン競技において海外の能力の高い選手とレースができることは、高い経験値を得ることができるため、絶対に必要な部分でしょう。
しかし、その世界大会に出場ができなくなってしまうと、海外選手と一緒に走る機会も少なくなり、成長が伸びなくなってしまいます。
日本国内で戦うよりも、元金メダリストなどの走りを間近でみたり、一緒に競うことで得るものは非常に多いのです。
UCIネイションズカップでチームとして出場できなくなることは、今後の日本選手の将来にも関係している内容だと思います。
ロードレースかトラック競技か選択する
UCIネイションズカップのルールを考えると更なら問題点も発生します。
それは、中距離種目に参加している選手たちの影響です。
今までのトラック競技は、ロードレースシーズンとは異なる冬期に行われてきましたが、今回のUCIネイションズカップは夏期に変更される事で、ロードレースを兼任していた選手は選択に迷うことになります。
そして、UCIネイションズカップが開催される予定の7月から9月は、ロードレースシーズンが開催中です。
そのため、選手たちは困惑の表情を隠しきれません。
中距離選手の大半はロードレースでも活躍をしていますので、この内容で困惑する選手は非常に多く存在します。
UCIネイションズカップが設立した時代背景
今回、このUCIネイションズカップが設立した背景にはどんな事情が関与しているのか調査してみました。
まず、第一に考える内容は大会運営の経済的理由が関係していると思います。
各国で開催される大会には、開催する国の自転車連盟が運営を行い、観客の入場料、テレビの出場権、大会に参加するスポンサーなど多くの経費が掛かります。
大会を開催しても、観客が全く入らず収入が少ないと、大幅な赤字が生まれてしまうため、大会の回数を増やしたり、地元で選手たちの魅力的な走りを増やすことで多くのファンをつけることを狙って設立されました。
しかし、今回の改変については正直良くなるのかまだわからないのが現実です。
また、現在2020年3月では世界で新型コロナウイルスの感染拡大が進んでおり、UCIの大会も延期されています。
2020年の東京をオリンピックも延期になり、各国ではスポーツなどの大きな大会は自粛もしくは中止になっています。
そのため、今後の大会や2021年から開催するUCIネイションズカップもオリンピックと同じ期間になってしまうため、大幅に変更される可能性もあります。
新型コロナウイルスの状況によっては今年は開催を見送りになる可能性もありますので、最新ニュースを確認しましょう。
コロナウイルス感染拡大防止策、UCIが4月3日までレース中止を要請
UCIネイションズカップの開催は、2021年からなので直接的に影響はしませんが、現在2020年3月末では、コロナウイルス感染拡大防止策、UCIが4月3日までレース中止を要請しました。
WHO(世界保健機関)及び欧州諸国の新型コロナウイルス感染防止対策措置に基づき、UCIが今月15日に対策措置を発表しています。
3月15日〜4月3日に予定されていた大会でも感染拡大地域での大会は中止を正式に決定されました。
この事象についてUCIポイントについては選手たちに公平的なUCIポイントの付与を停止する措置が取られています。
まとめ
今回は、UCIネイションズカップという新しくできたケイリンの大会について説明いたしました。
この大会は、UCIトラックワールドカップの後続にできた大会になっており、改変されたルールや時期などが多数あります。
大きく見ると、下記の3つにになります。
■1年間で3戦を3大陸の開催すること、1大会3日間の開催すること
■実施種目は8種目とその他の種目やイベントが開催予定
■2021年3月〜9月からの開催予定
しかし、上記で説明したように2020年3月では新型コロナウイルスの影響により、UCIのレースは大幅に中止になっています。
そのため、延期された2020年の東京オリンピックの期間がUCIネイションズカップと同じになってしまうので、今後も検討や変更が大幅に起こると思います。
まだまだ、改善点や懸念点も多いUCIネイションズカップですが、今後も色々とルールや解散期間の最新情報を確認しましょう。