競輪 アンコ
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競輪の競走中に起きる「アンコ」は、危険と隣り合わせのプロ競輪選手の戦術

UPDATE:2020.09.17
競輪コラム競輪マメ知識

皆さんは競輪において、専門用語がどのくらいの知っていますか?

今回は競輪で使用される「アンコ」という専門用語について解説します。

私が競輪に出会ったばかりの頃、初心者向けの競輪本を買って用語集を調べたり、ネットで専門用語を調べながら、解説の話を聞きました。

競輪好きの皆さんは知っている用語かと思いますが、初心者の方は絶対にしっておいて良い内容なりますので、ぜひ参考にしてみてください。

競輪用語のアンコとは?

競輪 アンコとは

競輪は自転車が連なって、レース終盤までは直線に並び、最後には個々で分散して全速力のバトルを行います。

その中で、選手はポジショニングが非常に重要になり、上手く自分のポジショニングを取れない選手は勝つことができません。

そんなレース展開の中で、競輪の専門用語である「アンコ」について解説します。

アンコとは簡単に説明すると、走行中に四方八方で他の選手がいるため、身動きができない状態を表しています。

レース序盤では直線になってレース展開をしていますが、ジャンが鳴って最後の1周半になるとそれぞれの選手が戦略を使いながら一着を目指しますが、その時に先行選手と差し、捲り選手が混在して、完全に動きを封じえられる選手をアンコになったと表現します。

アンコになった選手は、どうすることもできないため、上位で入賞することができなくなります。

また、アンコになるということは、他の選手との接触などの危険も生まれます。その点を踏まえて下記に詳しく解説します。

競輪用語のアンコの由来は「どら焼き」

競輪 アンコ 由来

上記で説明した通り、アンコとは3車で並走している際に、真ん中に挟まれている選手の事です。

この用語の由来は、「どら焼き」から派生した言葉です。正直、この由来には確実性はありませんが、多くの競輪ファンも同じように理解しています。

どら焼きのように餡の周りに皮が合って餡が外に出てこれない状態を差して、競輪用語ではアンコと呼んでいます。

競輪界では専門用語として、非常に多く使われています。

使い方としては、自分の軸がアンコ状態になった!とか、他の選手にアンコにされて差し来れなかったなどです。

競輪の正式な用語では無いですが、競輪好きの人は結構使う言葉なので、初心者の方はぜひ覚えておきたい用語になります。

競走中のアンコは非常に危険な状態

競輪 アンコ 非常に危険

アンコ状態では安易に身動きが取れない為、すごい速度で並走してくる自転車の中では一瞬のミスが落車に繋がってしまいます。

アンコ状態の選手が、少しバランスを崩したり、並走する選手と接触してしまうと、落車して後続車も犠牲になってしまったり、大きな事故を生む事もあります。

過去に競輪選手の内田慶がアンコが原因で競走中に落車して死亡してしまった事故が起こりました。

その当時の内容を紹介します。

アンコ状態で落車、競輪選手の内田慶の事故死

競輪 アンコ 内田慶

アンコの危険性が解ったところで、実際にアンコが原因で大事故につながってしまった内容を紹介します。

2008年9月11日に第51回オールスター競輪の第7レースで事件は起きてしまいました。

白熱したレースで接戦になった内田慶(うちだ けい)選手は最後の2周でコーナー付近で先行の選手と捲りを狙っていた選手に挟まれ、アンコ状態のまま接触し、落車しました。

接触した瞬間に車輪の一部が破損して前向きに激しく転倒し、頭からバンクに打ち付けてしまったため、頭蓋骨の骨折が原因で帰らぬ人になってしまいました。

事故直後にすぐ救急車で搬送されましたが、外傷もひどくくも膜下出血も併発していたため処置ができなかったようです。

このようにアンコは命を落としてしまうほど、危険な状態と言えるんです。

内田慶の事故死の真相はアンコ

競輪 アンコ 事故の真相

競輪界では、死亡事故発生で何度も検証を行いました。結果的に死亡の原因はレース中に起きたアンコが引き金になったのではないか?という意見で別れていました。

実際に競輪で事故が発生した場合は、公益財団法人JKAの事故専門の調査委員が調査を行いますが、明確に発表されたわけではありません。

そもそも、事故の状況を振り返り検証した内容だと、内田選手はアンコ状態になったときに、体を使って自分のポジショニングをつくる走るや他の選手を動かす行為はしていなかったように見えます。

結果的に事故が原因で死亡してしまったことは、不運な事故として処理され近くで走っていた選手たちも失格などの処分は受けていません。

競輪では、違反行為にはすごく厳しい対応を取りますが、プロが調査した結果に処罰対象にならないということは、競争上の止む得ない事故ということでしょう。

アンコは選手の戦略でもある

競輪 アンコ 事故後

競輪においてアンコというのは、同じラインで取られる戦略でもあります。

競走中に同じ脚質で非常に強い選手がいる場合、ラインで〇〇選手をマークして前に行かせないようにしょう。などと戦略を組み場合があります。

そのときに偶然、アンコ状態になってしまうこともあるでしょう。

もちろん、アンコになる選手も自分で回避するための走りを頭の中で考えながら走行しており、体を使ってブロックしたり、スピードを上げて脱出するでしょう。

その動作ひとつもプロの競輪選手ならではのテクニックとも言えます。

レースでは必ずしもアンコが発生するわけではありませんが、もしアンコになる、もしくはアンコにする選手が予想できる場合は、予想時に注意しましょう。

アンコを利用して車券を買える

競輪 アンコを利用

続いてアンコに関連した車券の買い方を紹介します。

そもそも、アンコになりやすい選手を考えてみましょう。そう考えると、調子の良い選手やベテランの選手が候補にあがります。

アンコになる選手は他の選手から、あの選手の抑えなければ自分が上位に入れないと考えて戦略を立てるため、出走表を見てある程度の予測ができます。

そこで、車券を購入する前に予測できる選手の戦略を紹介します。

アンコが起きることを予想した戦術

まず、アンコになる選手が1番人気で競走得点も高い選手だと仮定します。

その場合は、アンコをする選手のラインも踏まえて考えるのがおすすめです。アンコを仕掛ける選手たちはその選手を抑えて、自分が前に行くことを考えているため、可能性が高い部分の選手の車券を買っておくのが良いでしょう。

競輪予想のベテランなどの意見を参考にすると、重賞などの大きいレースを予想するときはアンコになるであろう選手、また左右上下で挟むであろう選手を予想して車券を購入するようです。

しかし、注意点はアンコになる選手の能力です。もしアンコにされる前にテクニックで前に出て回避したり、体で上手くブロックして回避する選手も多いでしょう。

不利になることを知っている強い選手は、なんとかして自分の有利なポジショニングをします。

そのため、アンコは非常に奥が深い部分だと思います。

まとめ

競輪 アンコ まとめ

今回は、競輪の専門用語のアンコについて説明させて頂きました。

競輪には、専門用語が多く存在します。

その中でもアンコは、ベテランの方や競輪を結構好きな方がよく使う言葉です。

競輪場の予想屋さんも使用したりする言葉なので、理解していると聞いていて内容がわかるようになります。

アンコは危険と隣り合わせの選手の戦術でもありますが、非常に競輪を面白くする部分で予想するのが難しいです。

しかし、レースの世界では1位を取るために様々な戦略が思考されるので、予想するときはひとつの要素として考える必要があります。

レースのレベルが高くなれば、選手のレベルも高くなり、テクニックやポジショニングが非常に需要になるので、ぜひアンコを頭に入れて競輪予想をしてみてはいかがでしょうか。