「競輪」と聞くと、日本独自の競技で「日本が強い」というイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、実は韓国の競輪も日本の選手に引けを取らないほどレベルの高い選手がいます。
また、強いというだけではなく、競輪そのものも韓国では人気な競技のひとつとなっています。
そこで、この記事では韓国の競輪界でもレベルが高いことで有名な「チョ・ホソン」選手についてや、過去の日韓対抗戦から韓国競輪のレベルを見ていきましょう。
また、韓国競輪と日本競輪の違いも解説しているので、あわせてご覧ください。
目次
韓国で有名なレベルの高い選手
日本の競輪のトップ選手といえば、中川 誠一郎選手・脇本 雄太選手・新田 祐大選手などS級S班所属の選手を思い浮かべるでしょう。S級S班の選手は鍛え抜かれた脚力だけでなく、戦略や走行技術を兼ね備えています。
実は、韓国競輪でもそんな日本のS級S班に負けず劣らない選手がいます。
それは、「チョ・ホソン選手」です。「チョ・ホソン選手」は韓国の競輪界を代表するようなトップ選手で、その走行技術の高さに一目置いています。
それでは、以下で「チョ・ホソン選手」がどのような選手名なのかご紹介します。
チョ・ホソン選手
「チョ・ホソン選手」は韓国の競輪界では非常にレベルの高い選手として有名です。
もともと「チョ・ホソン選手」は競輪選手ではなく、オリンピック自転車競技の選手でしたが、過去にはオリンピックに2回出場し、世界選手権でも4位という好成績を残した選手です。
自転車競技から競輪へと転向した際は、距離などの違いがあったため「実力を出せるのか不安」という声が多くあったそうですが、その不安も関係なく走行技術の高さを発揮していました。
また、韓国競輪の歴史をさかのぼっても、「ここまで強い選手はいなかった」と韓国の競輪ファンをうならせるほどです。
しかし、「チョ・ホソン選手」は自分の走行技術に満足いかず、もっとダッシュ力を身に着けていきたいと語っていました。
韓国の競輪界では圧倒的な強さを見せつけている「チョ・ホソン選手」ですが、それでもまだまだ上を目指そうとするストイックさがあるからこそ、ここまで強い選手になったのかもしれませんね。
過去のレースから韓国のレベルを見て見よう
韓国で競輪が始まった当初は、強い選手であっても日本の競輪選手には勝てないような実力でした、しかし、2010年ごろから韓国の競輪でも強い選手が次々に登場し、韓国競輪のレベルが一気に上がってきました。
実際に韓国競輪のレベルの高さや走行技術はどれほどのものなのか、You Tubeに投稿されている東日本大震災被災地支援 日韓対抗戦競輪2012(F1)決勝のレースをもとに見ていきましょう。
最初の1レースの結果は?
東日本大震災被災地支援 日韓対抗戦競輪2012では、レースがスタートした直後に、2番車の「ホング・ソッハン選手」が好スタートを決めて先手を取りました。
そして、その後「キム・ボンミン」、「チョン・ヘグォン」、「キム・ベヨン」、「ホング・ソッハン」、「キム・ヨンソプ」、「峠祐介」、「岡田征陽」、「高橋大作」、「飯田威文」の順番になり、日本の選手は後方から攻める形となりました。
後方からいつ日本の選手が仕掛けてくるのかという展開で、最終ホームでようやく峠祐介選手が仕掛けると思いきや、「チョン・ヘグォン」をまくりをかまし、日本の選手は誰も太刀打ちできない結果となってしまったのです。
そして、レース結果は1着「キム・ペヨン」、2着「ホング・ソッハン」、3着「キム・ヨンソプ」という結果になり、上位3着すべてを韓国の競輪選手に取られてしまう結果でした。
第2レースについて
第1レースは韓国の競輪選手に3着以内を奪われた結果となってしまいましたが、続く第2レースはどのような結果になったのでしょうか。
第2レースでは、第1レースのような好スタートを決めずけん制しつつスタートした韓国選手でしたが、第2レースでも韓国の競輪選手「チョ・ホソン」が先行を取り、レースをリードしました。
「ヒョン・ビョンチョル」を先頭に「チャン・ポギュ」、「チョ・ホソン」、「キム・チバウ」、「池崎太郎」、「吉田勇人」、「川口満宏」、「廣川貞治」、「尾崎剛」というポジションでレース展開が進みます。
その後、日本の競輪選手「池崎太郎」が先行と取りましたが、一瞬のすきを付いた韓国の競輪選手らが再び先行に。さらに韓国競輪のなかでもトップ選手である「チョ・ホソン」が見事なまくりを決めて1着となりました。
続いて、2着は「キム・チパム」、3着は「吉田勇人」という結果でした。
残念ながら東日本大震災被災地支援 日韓対抗戦競輪2012(F1)では、韓国の競輪選手に完敗という形になり、韓国の競輪選手の実力を目の当たりにした瞬間でもありました。
当時の競輪選手と比較しても、最近では日本でも強い実力を持った選手が増えているので、再び日韓対抗戦が行なえば結果は違うかもしれませんね。
韓国競輪の歴史
今や日本以上のレベルの高い選手がいる韓国競輪ですが、その歴史は1991年から始まります。1991年12月に韓国でも競輪が行えるように、ソウルオリンピック記念国民大会新興団体が競輪法を成立させました。
日本で自転車競技法が作られた1948年ごろなので、韓国競輪の歴史はそこまで古くないこともわかります。
そして、その競輪法をもとに1994年にチャムシル競輪場が開設され、韓国でも競輪を楽しめるようになったのです。
また、2006年には、チャムシル競輪場がクァンミョン競輪場に移転され、1日で14レースを行い、多くの国民から親しまれる公営競技となりました。
韓国の競輪場について
現在韓国には「クァンミョン競輪場」「チャンウォン競輪場」「プサン競輪場」の3つがあります。以前は「チャムシル競輪場」もありましたが、現在は「クァンミョン競輪場」に移転し、3つの競輪場でレースが開催されています。
日本の競輪場は全国で43カ所ありますが、韓国では3カ所しかないので、近隣に住んでいない方でないと生のレースを見るのが難しいのかもしれません。
年間売上は驚くような金額
多くの国民から親しまれている韓国競輪ですが、驚くような売上金額になっているのが分かりました。
韓国競輪の売上を調査しているあるレポートによると、2012年度の韓国競輪の売上は年間で2兆4,808ウォンありました。簡単に日本円換算すると、約2,500億円もの売り上げとなっているのです。
現在、韓国では3つの競輪場が開催されているのですが、日本の競輪場と比較しても圧倒的な少なさのなか、ここまでの売上をだせるのは正直おどろきですよね。
この金額が売上として現れているのは、それだけ熱狂的な競輪ファンが韓国にもいるという現れでしょう。
現在の韓国の競輪選手数はどのくらい?
韓国の競輪で活躍している選手は、現在570人前後となっているため、日本の半数以下の選手数です。そして、韓国の競輪も日本と同様に階級があり、S級・A級・B級の3つに分かれています。
ここで驚きなのが、韓国競輪のもっとも上位の階級「SS」は14人も在籍しているということです。日本の競輪では9名しか選抜されないのに、14人も在籍しているということは、それだけ強い選手が多くいるからかもしれません。
韓国競輪と日本競輪の違い
韓国で開催される競輪のレースは基本的に毎週金曜日と土曜日に開催されています。日本の競輪はほぼ毎日開催されているのに対して、かなりレース数が少ない印象です。
レースは7車立てで行なわれるため、ガールズケイリンやミッドナイト競輪と同様のものとなっています。
また、韓国競輪のレースで選手たちが着るユニフォームは、1番車から6番車までは日本と同じカラーリングで、7番車だけがピンク色になっています。
さらに、韓国競輪では販売されている券種にも違いがあり、基本的に以下の5種類が販売されています。
- 単勝式
- 連勝式
- 複勝式
- 双勝式
- 三複勝式
若干呼び方が違うものの、似ている券種もあります。ただし、日本では販売されていない「単勝」や「複勝」が販売されていたり、「三連単」が販売されていないことが大きな違いでしょう。
そのような券種の違いがあるため、日本の競輪のように大穴を狙って万車券を目指すというようなギャンブル性の高い買い方ができないかもしれません。
八百長に厳しい
日本の競輪においても、レースでの八百長はもってのほかですが、韓国競輪では八百長に対して厳しい印象があります。
韓国競輪のレースの審判判定は、基本的に公式サイトに掲載されていることになっているのですが、その結果にあわせて八百長を密告できる電話番号も記載されています。日本の競輪では「八百長は存在しない」ということが大前提となっているため、密告できる専用の電話番号もありません。
また、八百長の発覚につながる有力な情報に対しては数百万円の報奨金が渡されるようなので、選手も八百長を行なわず、自分の実力アップに磨きを賭けてレベルアップにつながっているのではないでしょうか?
韓国の過去の大賞競輪はどんなのがある?
日本の競輪では「KEIRINグランプリ」ような大きなレースをGPという格付けで行っていますが、韓国競輪で行なわれる大きなレースは「大賞競輪」とも呼ばれています。
では、実際に韓国で行なわれている「大賞競輪」にはどのようなレースがあるのか、優勝者もあわせてご紹介します。
- 2002/1/3 クァンミョン競輪場 ジャーナル杯 優勝者:ノ・テギョン
- 2003/1/5 クァンミョン競輪場 第19回スポーツソウル杯 優勝者:イン・チファン
- 2004/9/21 クァンミョン競輪場 第5回スポーツ東亜杯 優勝者:キム・ミンチョル
- 2005/4/26 クァンミョン競輪場 第19回スポーツ朝鮮杯 優勝者:イン・チファン
- 2006/8/30 クァンミョン競輪場 理事長杯 優勝者:キム・ドングァン
- 2010/11/13 クァンミョン競輪場 第19回日刊スポーツ杯 優勝者:パク・ヨンボム
- 2011/5/17 クァンミョン競輪場 第17回毎日経済新聞杯 優勝者:イン・チファン
韓国の競輪には、レース開始前に美女のキャンギャルがいる
日本でもレースクイーンが旗を振る競輪場がありますが、韓国では上記画像の美女が先導します。国が違うと、キャンギャルなどのイメージも違いますね。
もし韓国に行く機会がありましたら、ぜひ競輪場のキャンギャルを見てみましょう。
まとめ
以上、当記事では韓国競輪の歴史や日本と韓国のレベルの違いについてご紹介しました。
結果的に昔から競輪は日本の方が強いと言われていましたが、日韓対抗戦では韓国勢に全敗するなどの結果だったので、今や日本を超える選手もいるのかもしれません。
また、韓国の競輪のレベルは上がっているので、日本の競輪選手も負けてはいられません。
現在予定はありませんが、今後韓国の競輪選手と日本の競輪選手が戦うことがあれば、ぜひまた白熱したレースを観戦したいですね。