高松宮記念杯競輪2022(岸和田競輪G1)が、2022年6月16日(木)から6月19日(日)までの日程で開催されます。昨年に続き、新生した岸和田競輪場での開催です。
昨年のKEIRINグランプリ覇者である古性優作選手を擁する大阪支部の本拠地。2018年から大規模な工事を開始し、2019年には一時的な閉場を伴う本格的な作業へ。2021年の6月をもって無事に新しい岸和田バンクが誕生し、昨年の高松宮記念杯競輪が実施されました。
その戦いで輝いたのが、なんとG1初優出にして初優勝を達成することになる埼玉の宿口陽一選手。苦労人が報われる瞬間は、今年も訪れるのでしょうか。もちろん、近況は不振にあえぐ宿口選手自身も、ディフェンディングチャンピオンとして出走を予定しています。
東西対決が全面に打ち出されたこのG1で、勝つのは東か西か、そしてどの選手なのか。あらゆる情報を分析し、徹底的に予想していきます。
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目次
高松宮記念杯競輪2022(岸和田競輪G1)の詳細情報
開催年 | 優勝選手 | 所属支部 |
2017年(岸和田) | 新田 祐大 | 福島 |
2018年(岸和田) | 三谷 竜生 | 奈良 |
2019年(岸和田) | 中川 誠一郎 | 熊本 |
2020年(和歌山) | 脇本 雄太 | 福井 |
2021年(岸和田) | 宿口 陽一 | 埼玉 |
過去5年の高松宮記念杯競輪の優勝選手は、上記のとおりです。基本的には全国での持ち回り開催となっている高松宮記念杯競輪ですが、岸和田競輪場が特に積極的に誘致していることがわかります。
ナショナルチームでも活躍する新田祐大選手や脇本雄太選手の名前がある一方、三谷竜生選手や中川誠一郎選手といったいかにも「競輪」な存在もいるのが特徴的。とりわけ、昨年の宿口陽一選手のG1競走初優出および初優勝は見事でした。
幸運の女神には、前髪しかない。つまり、しっかりと髪を結んだ彼女がもたらす幸運を掴むには、その額から一房だけ風にたなびく前髪を逃さないようにしなければならないのです。
今年は、誰がこの岸和田バンクに勝利の凱歌をあげるのか。各地区が分け隔てなく勝っているからこそ、今回の勢力図の把握は十分に成していく必要があるでしょう。
高松宮記念杯競輪は「東西対抗」がテーマの特殊なG1競走です
高松宮記念杯競輪は、数ある競輪の開催のなかでも個性の強い競走です。なぜなら、そこにはシリーズを通してのコンセプトがハッキリと設定されているからです。
それはずばり「東西対抗」。元は小倉競輪における競輪祭と同様に、大津びわこ競輪場にて固定で開催されていました。しかしながら、バブル崩壊後の収益の悪化によって、大津びわこ競輪は閉場。以降は同じ近畿圏の岸和田競輪場が中心となって誘致していることは、先の項目でも触れたとおりです。
そうした歴史をたどってきた高松宮記念杯競輪は、同時に東西対抗戦としての歴史も長く紡いできました。また、半世紀以上の開催の中で、東西対抗の度合いを濃くしたり薄くしたりと、開催者側の試行錯誤が行われてきた点も、特筆に値するでしょう。
今年、2022年現在の高松宮記念杯競輪は、上記の番組体系で開催されます。すなわち、ほかの競輪開催と同様に一次予選、二次予選、準決勝、決勝とあるのですが、このうち準決勝までは西日本と東日本の代表者を決める戦いとなり、決勝で東西決戦が行われる。そういったコンセプトになっています。
2日目には優秀競走とも言える白虎賞と青龍賞が開催され、開催を通じてハイレベルな競走を楽しむことができるでしょう。
銀輪ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想
2022年の高松宮記念杯競輪も、競輪界のトップスターが集結しました。言うまでもなくG1競走であるため、ここでの優勝は超高額賞金の獲得のみならず、年末のKEIRINグランプリの出場権、そして来期のS級S班が約束されます。
新生岸和田バンクを力強く駆け抜けるのは誰か。シリーズを通じて活躍が期待される3人の選手についてピックアップし、シリーズの展望をしていきます。
- 地元の期待を一身に背負う!古性優作が威風堂々たる競走を見せる
- 東ならば郡司浩平が最も怖い!東西決戦を制するのだ
- 総合力で天下統一!松浦悠士が岸和田バンクの王となる
泣く子も黙るS級S班。彼らが今回の高松宮記念杯競輪を作り上げていくことに関して、大きな期待が持てます。
それぞれの選手について、この仮説を確かなものにする具体的な実績を解説していきましょう。
シリーズ展開予想①/地元の期待を一身に背負う!古性優作が威風堂々たる競走を見せる
地元大阪の古性優作選手は、実力も人気も当地のナンバーワンと断言して差し支えないでしょう。この栄えある岸和田のG1において、最高の走りをすることが望まれています。
ただ、古性選手はいささかの不調を感じています。「読売新聞社杯全日本選抜競輪2022(取手競輪G1)」にて見事に優勝し、KEIRINグランプリ出場と来期SSを確実にした反動か、本人も思い悩む競走が見られるようになりました。
しかし、偉大なるグランプリレーサーは、決して諦めてはいないでしょう。栄えある地元開催のG1。近畿地区の代表にして西日本の総大将格として、生まれ変わった岸和田バンクでの活躍を誓います。
シリーズ展開予想②/東ならば郡司浩平が最も怖い!東西決戦を制するのだ
今回の高松宮記念杯競輪で、東日本勢における最大の注目株は神奈川の郡司浩平選手でしょう。東日本勢の主柱として、岸和田バンクへとやってきます。
近走の調子も上々。地元の記念競輪である「桜花賞・海老澤清杯2022(川崎競輪G3)」で優勝し、「五稜郭杯争奪戦2022(函館競輪G3)」でも準優勝。「日本選手権競輪2022(いわき平競輪G1)」こそ準決勝失格という結果に終わりましたが、良好なコンディションを保っていることが窺えます。
昨年の開催では東日本二次予選で落車棄権。確かな成果を得られませんでした。今年は力強い競走によって、その名を「宮杯」と岸和田の歴史に刻んでいってくれることでしょう。
シリーズ展開予想③/総合力で天下統一!松浦悠士が岸和田バンクの王となる
広島の松浦悠士選手は、無論、高松宮記念杯競輪では西日本の枠組みでの出場となります。しかし、それはさしたる問題ではありません。なぜなら、松浦選手は東西決戦となる決勝まで勝ち上がるであろう最有力候補だからです。
「日本選手権競輪2022(いわき平競輪G1)」ではまさかの二次予選敗退となっただけに、今回は逆襲を志しての戦いとなるでしょう。
「桜花賞・海老澤清杯2022(川崎競輪G3)」では郡司浩平選手と1着同着による優勝を手にし、「全日本プロ選手権記念競輪2022(佐世保競輪F2)」のスーパープロピストレーサー賞でも2着。調子は決して悪くなく、高い安定度を保持しています。
2021年は9つもの開催で優勝し、今年もすでに2つの栄冠を獲得。G1という至高の舞台で、2022年3つ目のVを狙います。
[2021年改修完了]岸和田競輪場のバンクの特徴
2021年。岸和田競輪場は3年にもおよぶ長期の工事、うち2年は一時的に閉場しての大規模な改造を終え、ついに現役のバンクとして帰ってきました。
一部のスタンドを完全に撤去し、バンクも現代仕様のコーティングを施してリニューアル。これぞ新生と呼ぶにふさわしいレベルの発展的な改良によって、岸和田は再び西の雄としての地位を確固たるものにしました。
- リニューアルで走りやすくなったバンク!高速決着必至!
- 施設の建て替えで風の通り道が発生!
- 風向きが変化しやすい?攻略難易度がアップした新生岸和田
では、岸和田バンクの特徴はどうでしょうか。特に大きく変わった上記の3点について、実際にここで走る大阪支部の選手たちの生の声をもとに、今回の開催、ひいては今後の岸和田開催で役立つポイントについて解説していきます。
なお、当サイトでは岸和田競輪場の魅力を総合的にまとめた記事を公開しています。あわせてご覧いただくことで、全国でも有数の「愛されるバンク」である岸和田競輪場について、広く深く理解できるでしょう。
特徴①/リニューアルで走りやすくなったバンク!高速決着必至!
バンクはいつも保全や補修の手入れがなされているとはいえ、形あるものであるからには、どうしても経年劣化を防ぐことはできません。したがって、そのコンディションは重く、スピードが乗りにくいものへと変わっていきます。
今回の改修工事ではバンクを全面的にケアし、コーティングも施したため、劇的に走りやすい路面へと変貌しました。最新の技術が使われていることから、天候や気候による影響も最小限に抑えられます。
スピードに乗りやすいバンクは、高速での戦いが得意な選手に有利に働くでしょう。とりわけ若く、加速力と最高速度を併せ持つレーサーには注意が必要です。
また、ラインがちぎれるか、連係を保ったままについていけるかという判断にも、この事実は影響を及ぼすでしょう。
特徴②/施設の建て替えで風の通り道が発生!
インターネット全盛期の現代。かつては競輪も現地観戦が前提でしたが、今は現地とインターネットという販路の多様性が生まれ、来場しての車券購入以外の道が用意されました。
このため、以前はカスタマーサービスとして必要だったスタンドの必要性が薄れ、維持コストもかかることから、工事の際にスタンドを撤去する競輪場が増えています。岸和田も今回の工事で一部のスタンドを思い切って撤去し、その分のコストをサービスに転化する方針を打ち出しました。
一方、これはバンクの環境には大きな変化をもたらします。風という競走において重要な要素が、そこで戦う選手たちに加わるためです。今回のスタンド撤去によって、風の通り道が大きくなりました。
結果として、以前とは違う対策が必要となり、ライン先頭の選手がその特性を掴んでいるかどうかが勝敗の分かれ道になるケースが増えています。自力型選手の直近での成績、ひいてはリニューアル後の当地成績は要チェックでしょう。
特徴③/風向きが変化しやすい?攻略難易度がアップした新生岸和田
3つ目の特徴も、2つ目と同じく風にまつわるものです。かつての岸和田バンクは、ホームにしている大阪支部勢のみならず、遠征してくる選手にもすぐにわかる「岸和田の風の特徴」がありました。
それは「ホーム直線では向かい風、バック直線では追い風」になるというもので、岸和田のセオリーとして選手やファンの間で語られていたものです。
しかしながら、今回の施設改善やその他の工事の影響で、風向きが一定でなくなったという声が聞かれます。向かい風と追い風では、ラインに与える影響がまったくの逆ですから、これを見極められるかどうかは重要です。
加えて、風が一定でないということは、番手以降の選手がしっかり風よけとしての先頭選手、および1つ前の選手を活かせるかどうかも、より重要になったと判断できます。なるべく直前情報で風の強さを確認し、どのラインにとって有利か、あるいは先頭選手が軒並み失速しやすいかを判断することが大切です。
高松宮記念杯競輪2022(岸和田競輪G1)のまとめ
高松宮記念杯競輪。東と西の意地をかけた決戦は、さながら天下分け目の戦いのようにすら思えます。
さらに、予選段階では東日本と西日本の代表者を決める意味合いがあることから、普段は近しい間柄の選手たちがライバルになることもありえるでしょう。そうした意味からも、ほかのG1とは違う見どころに満ちた開催といえます。
2022年、初夏を迎えた岸和田バンク。そして、新生してまだようやく1年が過ぎたばかりの岸和田での熱戦を、あらゆる角度から存分に楽しんでいきましょう。
岸和田競輪場のアクセス
住所 | 大阪府岸和田市春木若松町22-38 |
電話番号 | 072-422-4846 |
岸和田競輪場は大都市圏のひとつである大阪府内に存在することから、多くのファンが来場する場所として知られています。2019年からは閉場を伴う大規模な工事が始まり、約2年かけてバンクを含めた大幅リニューアルを実施しました。
生まれ変わったバンクの特徴については、当記事の「岸和田競輪場のバンクの特徴」にて詳しく解説しています。車券にダイレクトに影響するデータですので、ぜひ参考にしてください。
電車でのアクセス
岸和田競輪場の最寄り駅は、南海電鉄の「春木駅」です。区間急行や空港急行が停車する駅のため、利用しやすいロケーションです。また、特急を利用して岸和田駅で各急行に乗り換えるのも、場合によっては選択肢になりえるでしょう。
JRを使う場合、阪和線で鳳駅まで移動し、そこから東羽衣駅で下りて少し歩き、南海電鉄の羽衣駅を利用することで、春木駅に到着できます。
春木駅から本場までは、徒歩にして約6分ほどの距離です。
自動車でのアクセス
岸和田競輪場には約2,400台を収容できる、無料の駐車場が用意されています。自家用車によるアクセスにも適していると言えるでしょう。
最寄りインターチェンジは、阪神高速4号湾岸線の「岸和田北IC」で下りてから約5分ほどで本場へ到着します。また、これよりは遠くなりますが、阪和自動車道の「岸和田和泉IC」を使うのも良いでしょう。こちらは約20分ほどが所要時間です。双方ともに、府道40号線がわかりやすいアクセス方法になります。