競輪 検車
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競輪用自転車には車検がある!一般自転車とは別物の競輪自転車の魅力に迫る

UPDATE:2020.09.28
競輪コラム競輪マメ知識

時速70キロ以上のスピードで激走し、着順を争う競輪。

そんな競輪ですが、自転車にも競輪協会が定める車券が存在すること知っていますか?

身近な乗り物である自転車を使った公営競技の競輪ですが、見た目は普通のロードバイクです。

しかし、公営競技に使われるため様々な決まりがあるのです。そこでこの記事では競輪競技の検車について詳しく解説していきます。

意外と知らない内容も多くありますので、競輪の自転車に興味ある方は知識のひとつとしっかり頭に入れてみましょう。

競輪用の自転車とは?

競輪 検車

速度も速く、迫力満点なレースにハマってしまうファンも多くいる競輪。

その競輪の自転車ですが普通のロードバイクでしょ?と思っている方が圧倒的に多いと思います。

しかし、普通の街中で走っている自転車とは全くの別物です。競輪用の自転車は競走用に改造されているため、一般道で走行することはできません。

また、競走は少しでも自転車を軽量して速く走ることを目指すので、無駄な部品は一切装着されていません。

一番驚く点は、ブレーキもついていないことです。速さを求める競輪では、スピードを落とすブレーキは必要がないため、外されています。

そんな競輪用の自転車には車検などのルールも存在しており、かなり厳しい基準でセッティングされているんです。

そんな競輪用自転車について様々な情報をまとめて紹介します。

競輪における検車とは?

競輪 検車とは

レース前日(前検)やレース当日に行われる車体(自転車)検査のこと。これに合格しなければレースに出場できません。

自転車は、基本的に選手が各々整備を行いますが、開催日の前日、自転車の検査を行うのは「検車」の仕事です。

また、レースの前日に出走順に自転車を格納し、管理するのも検車です。
通常、競輪は「3日間」の日程で開催されます。

初日(予選)、2日目(準決勝)、最終日(決勝)と言うように開催されます。

その開催の前日、いわゆる「前検日」の昼前に、出場選手は、その競輪場に召集されるとともに、自転車の検査や身体の健康診断を受けます。

※ この自転車の検査のことを業界では「検車」と言い、自転車検査なのですが「車検」とは言いません。

そして、問題がなければ、無事「契約成立」となり、明日からの「競走」に出場することとなります。

以前、選手の自転車を運ぶはずの宅配便に不具合が発生し、肝心の商売道具である、自転車(レーサー)が届かなかった事があります。

選手は、自転車がなければ、「競輪」に出場、することが不可能なので、「契約不成立」で、「競走(競輪)」することなく、帰宅する事になってしまいます。

参加選手は、公正を期するため、開催期間中は、通信手段(携帯など)を没収され、外部と遮断され、選手宿舎に「缶詰め」にされます。

公営競技である競輪では、不正は許されない

競輪 検車 不正防止

競輪用の自転車は、公営競技になっており、不正改造や基準を超えるセッティングは絶対に許されません。

全員が同じレベルの自転車にまたがり、真剣勝負するこそ、公営競技が成立するのです。そこ点を踏まえて、車検の具体的な内容を確認していきましょう。

競輪を実際に生で見れる機会があったときは、この知識を思い出して確認してみて下さい。

不正防止の本質に迫る!検車とは?

競輪 検車 不正防止の本質

では、競輪協会が定める競輪用自転車の車検について解説します。項目を非常に多く、少しでも基準を超えるセッティングなどは落検に繋がるくらい厳しい内容です。

また、競輪の自転車は選手自身がセッティングや部品交換などを行うため、専門のメカニックなどは存在しません。

そのため、自転車の整備はレースに出走するために必死になります。

開催前日

参加選手の自転車の検査を行い、翌日以降のレースに備えます。

■専用機械による自転車の検査
■自らの手による自転車の検査
■目視による自転車の検査

目視だけではなく、専用の機械を使って徹底的に検査を行い不正を防止しています。

この検査のおかげで不正の心配なく、みなさんが安心して車券を買えるんですね。

開催当日

競輪の自転車は、開催当日にも予備検査が実施されます。

もしこの検査でパスできないと、その日のレースに出走することができないため、選手たちも必死で点検を行い、少しでも基準を超える部分や欠陥がないか、細かく調整します。

しかし、前日に細かい検査を行っているのに、なぜ当日も実施するの?と疑問に思うでしょう。

それは、もし不正があったときに競輪自体の存続が危ぶまれるほど重大なニュースになってしまうからです。

当日に簡単な不正をした速い自転車がレース優勝などして、自分が購入していた選手が2番などになったたら誰でも怒りますよね。

そのような事象を絶対に起こさないようにするためです。

競輪用自転車と一般自転車の違いについて

競輪 検車 競技用自転車

上記でもブレーキの話で少し解説しましたが、競輪用自転車と一般自転車を比較しても機能や速度、装着部品などは全く異なります。

そもそも、ブレーキなどが存在していないので、一般人が乗ることもできないくらい自転車の構造が異なっていることがわかります。

競輪用自転車は、競輪の規格に基づいて構成された専用の自転車になっており、一般の自転車のように変速ギアやベルなどもありません。

少しでも軽量化するため、無駄な部品は一切装着していない状態になっています。

また自転車のフレームなども選手の体格に合わせて特別に作られた1点もので、職人が金属などの素材選びから細かく製造します。

部品全般

競輪 検車 部品全般

次に紹介するのは、ハンドル、サドル、ペダルなどの構造です。

ハンドルは選手の脚質タイプによって角度が変更され、先行型の選手には少し上向きで力が入りやすくしたり、追い込みの選手は逆に下げて、スタミナを温存するようなセッティングを行います。

また、サドルなども同じく高さを調整して、一番ペダルに力が加わる調整をしています。そのため、普通の自転車のサドルのように柔らかくありません。

ペダルに関しては専用のレースシューズを履いており、選手のシューズとペダルを固定して走行中に外れないような仕様です。

ギア

競輪 検車 ギア

競輪用の自転車のギアは特殊な構造になっています。

上記でも少し紹介しましたが、変速ギアなどはなくギア比率をレース前に調整してからレースに挑みます。

簡単に説明すると、一般の自転車のギアが一番軽い状態でレースに挑むのか、重たい状態でレースに出走するのかを事前に決定するという意味です。

これを競輪ではギア倍率と読んで、どんなレース展開にするのか戦略を考えながら調整します。

また競輪では、ギアが一本のチェーンで構成されペダルの回転と直結しているため、逆回転に回せば、自転車はバックする仕組みです。

そのため空転もしないため、選手はスピードを落とすときに利用します。

まとめ

競輪 検車 まとめ

この記事では競輪用の自転車の隠れた性能や構造を紹介しました。意外と知られていない競輪の規則や、自転車の法則性を知れたと思います。

競輪競走用自転車の構造上の違いや、公平性を担保するための検車について書いてみました。公営競技の歴史は様々な不正との戦いの歴史でもあります。

より早く走るために進化していると思われがちですが、約半世紀ほど基本構造が変わっていないのは意外だったと思います。

知らなくても車券は買えますが、知っていれば上級者にちょっと近づく?そんな情報を今後もお届けしていきます。