今回は皆さんも、ご存じ神山雄一郎選手を紹介していきます。
神山雄一郎選手は、52歳という年齢ながら今も現役で走り続け、これまでに様々な輝かしい成績を収めてきた競輪界の大レジェンドです。
未だに衰え知らずのレジェンド、神山雄一郎選手ですが、実は過去に1988年のソウルオリンピック出場を断念した経験があります。
そこで諦めなかった神山雄一郎選手は、プロデビュー後にオリンピック出場へ再チャレンジするなど、その競輪に対するハングリー精神が競輪スタイルにも現れており、ファンの心を鷲掴みにしているようです。
当記事では、そんな神山雄一郎選手の魅力や、これまでの成績などの情報を網羅して紹介していきます。
目次
神山雄一郎選手のプロフィール
神山雄一郎選手のプロフィールや初出場、初勝利、初優勝についてのデータを紹介します。
氏名:神山雄一郎(かみやま ゆういちろう)
生年月日:1968年4月7日、(牡羊座)
出身地:栃木県
年齢:52歳
期別:61期
級班:S級2班
登録番号:011778
ホームバンク:宇都宮
特異な競輪場:宇都宮
師匠:荒川博之(栃木49期)
■デビュー
1988年5月8日 花月園 1位,1位,1位
■初勝利
B級:1988年5月8日 花月園 1位,1位,1位
A級:1988年9月10日 宇都宮 1位,1位,1位
S級:1989年4月9日 函館 1位,1位,6位
特別競輪:1989年11月24日 小倉 3位,1位,1位
■初優勝
B級:1988年5月10日 花月園 1位,1位,1位
A級:1988年9月12日 宇都宮 1位,1位,1位
S級:1989年5月9日 別府 1位,1位,1位
特別競輪:1989年11月26日 小倉 3位,1位,1位
デビュー戦で初勝利をしっかりと収めている点、さすがレジェンドですね。
まだ競輪を始める以前の、中学時代は剣道部に所属し、県大会3位、東北大会ではベスト16という素晴らしい成績を収めます。
しかし、神山雄一郎選手は自身の成績に納得がいかず、自分の力をより発揮できる自転車競技へ転向しました。
自転車競技を始めた理由は、自転車屋を営む父親の影響によるものだそうです。
そんな父親は、サイクリング愛好家で休日になると神山雄一郎選手を連れ、親子で自転車に乗り、よく遠出していたようです。
そんな幼少期を過ごした神山雄一郎選手ですが、その後はどのようにしてプロ競輪選手になったのか、またプロ競輪選手としてどのような選手だったのかを以下で紹介していきます。
神山雄一郎がプロになるまで
中学卒業後、神山雄一郎選手は本格的に自転車競技のプロを目指すため、自転車部のある作新学園高校に入学します。
努力家の神山雄一郎選手は、自宅から高校へ通学する手段として、毎日往復で約80kmの道のりを3時間かけて自転車通学していました。
そんな日々の努力が実を結び、高校3年生でインターハイと国民体育大会の1000m部門で優勝トロフィーを獲得。
その後、日本競輪学校第61期生として入学し、卒業後には日本競輪選手会の栃木支部に所属します。
見事、プロの競輪選手になった神山雄一郎選手は師匠の荒川博之氏のもと、プロの世界で華々しい活躍をしていきます。
そんな神山雄一郎選手ですが、プロを目指したきっかけは父親に連れられて1985年のKEIRINグランプリを見に行ったことがきっかけのようです。
プロの競輪選手が走る姿や、場内で大勢の人に注目を浴びて走っている姿に感動して、競輪選手を目指すことを決めたのでしょう。
神山雄一郎選手のルーツとしては、やはり父親の存在が大きかったようですね。
神山雄一郎選手は競輪エリート街道を歩んできた
父親の影響で自転車を始めた神山雄一郎選手ですが、幼い頃から運動神経は飛びぬけて優れていました。
小学生の頃は休日になると、往復約100kmの道のりを自転車で走ったり、野宿しながら1日200km近くの道のりを走っていた、という逸話もあります。
一般人からしてみると、想像を絶するような努力をしてきた選手だと、感じますよね。
しかし、神山雄一郎選手は「自転車が好き」という一心で、長距離サイクリングをやめなかったようです。
長年プロの世界で活躍するような選手は、努力を努力だと思わず、好きという気持ちだけで一心不乱に大変な練習も続けることができるのでしょう。
そんな、幼少期から自転車にのめり込んでいた神山雄一郎選手ですが、競輪学校時代もエリート街道を歩んできたようです。
高校時代、作新学院では、普段から宇都宮競輪場で練習していたため、競輪学校の受験対策も万全の状態で挑んだことにより、見事合格します。
その受験では、インターハイや国民体育大会での成績も評価され、1次試験はパス通過します。
また、2次試験についても、本来は技能試験と適性試験をクリアしなければいけないところを、神山雄一郎選手は学科試験、小論文、面接だけで合格、という優遇処置を受けます。
競輪学校の受験生は国体に出場経験を持つ選手や、プロ野球選手、レスラーなど、本格的なアスリートが集まる場所として有名で、男子の合格率はわずか10%と狭き門です。
しかし、当然のように神山雄一郎選手は一発合格したうえに、在学中も努力を惜しまず主席で卒業します。
以前、神山雄一郎選手が「僕は競輪学校在学中に苦労していないんです」と語っていたようですが、努力の天才な彼は一般人の思う以上の苦労をしているでしょう。
エリート街道を歩んできた神山雄一郎選手は、まさに努力の天才と言えます。
神山雄一郎選手の成績
神山雄一郎選手の通算成績を、以下にまとめたのでご覧ください。
出走数 |
優勝回数 |
1着 |
2着 |
3着 |
着外 |
棄権 |
失格 |
勝率 |
2連対率 |
3連対率 |
|
合計 |
2551 |
171 |
874 |
407 |
267 |
942 |
35 |
29 |
34.2% |
50.2% |
60.6% |
F2 |
153 |
26 |
95 |
22 |
11 |
23 |
0 |
2 |
62.0% |
76.4% |
83.6% |
F1 |
215 |
21 |
82 |
34 |
24 |
69 |
3 |
3 |
38.1% |
53.9% |
65.1% |
G3 |
1244 |
99 |
447 |
216 |
141 |
413 |
18 |
9 |
35.9% |
53.2% |
64.6% |
G2 |
246 |
8 |
84 |
37 |
18 |
100 |
3 |
6 |
34.1% |
49.1% |
56.5% |
G1 |
677 |
17 |
166 |
94 |
72 |
327 |
11 |
8 |
24.5% |
38.4% |
49.0% |
GP |
16 |
0 |
0 |
4 |
1 |
10 |
0 |
1 |
0.0% |
25.0% |
31.2% |
上記の通り素晴らしい成績を残していますが、注目すべきはGⅠで17勝しているという点です。
これは、現在の競輪界史上最多勝利の記録となっています。
その一方で意外だったのが、KEIRINグランプリではこれまで16回出場し優勝経験はないようです。
いつか神山雄一郎選手が、KEIRINグランプリで優勝する瞬間を見てみたいですね。
神山雄一郎選手の獲得タイトル
これまで神山雄一郎選手は日本選手権競輪や、オールスター競輪など、様々な功績を残してきました。
これまで獲得してきた主なタイトルを以下にまとめたのでご覧ください。
・1989年 競輪祭新人王戦(小倉競輪場)
・1993年 オールスター競輪(宇都宮競輪場)
・1994年 高松宮杯競輪(大津びわこ競輪場)
・1995年 高松宮杯競輪(大津びわこ競輪場)、全日本選抜競輪(青森競輪場)、競輪祭(小倉競輪場)
・1996年 寛仁親王牌(前橋競輪場)、競輪祭(小倉競輪場)
・1997年 オールスター競輪(平塚競輪場)、寛仁親王牌(前橋競輪場)、競輪祭(小倉競輪場)
・1999年 日本選手権競輪(静岡競輪場)、オールスター競輪(甲子園競輪場)
・2000年 寛仁親王牌(前橋競輪場)、競輪祭(小倉競輪場)
・2004年 オールスター競輪(西武園競輪場)
・2005年 オールスター競輪(名古屋競輪場)
神山雄一郎選手の獲得タイトルを見ても、オールスター競輪との相性が非常に良いことがわかりますね。
神山雄一郎選手グランドスラム達成
神山雄一郎選手はこれまでGⅠ、GⅡ合わせて24個のタイトルを獲得しており、すべてのGⅠに優勝してグランドスラムも達成しています。
ちなみに、歴代でこのグランドスラムを達成した人は、神山雄一郎選手を除いて、滝沢正光さんと井上茂徳さんの二名です。
この二人と肩を並べるとは、神山雄一郎選手がレジェンドだと言われているのも納得です。
神山雄一郎選手の通算賞金
競輪界のレジェンド、神山雄一郎選手がこれまで稼いできた通算賞金を皆さんはご存じでしょうか?
男子競輪選手の平均年収は1200万円と言われていますが、現時点での神山雄一郎選手が獲得した通算獲得賞金額は28億4234万1309円です。
もちろん競輪は実力社会なので、成績や階級によっても大きく平均年収が変わってきますが、28億超えは「さすが」の一言ですね。
ちなみに、通算獲得賞金の歴代1位が神山雄一郎選手で通算20億超えは、競輪界で唯一の人物だそうです。
歴代2位の山田裕仁選手は、通算19億1782万5099円なので約10億円の差をつけて、圧倒的な1位と言えるでしょう。
神山雄一郎選手は世界の自転車競技にも参加している
高校時代、オリンピックでの活躍を夢みていましたが、当時はプロの競輪選手がオリンピックに出場することはできない、という規約でした。
しかし、オリンピックへの出場を、諦めた経験のある神山雄一郎選手はプロ競輪選手になった後、世界選手権やワールドカップなど世界での大会に積極的に出場します。
そんな中、1996年アトランタオリンピックからプロ・アマ問わず自転車競技への出場が可能になり、1kmタイムトライアル競技への出場を決めた神山雄一郎選手でしたが、結果は7位入賞。
その後、1999年のアジア大会においては、ドーピング違反で短期の出場停止処分を受けており、その理由として、不注意による規約違反の薬を使用してしまったようです。
そんな神山雄一郎選手ですが、オリンピックへの熱は絶やさないまま2000年のシドニーオリンピックのチームスプリント競技に出場し、5位入賞という結果でした。
そこでは、長塚智広選手、稲村成浩選手とチームを組み出場しましたが、世界の壁は高かったようで、敗者復活戦で1位入選するも妨害を取られて敗戦してしまいます。
やはり、競輪と世界ケイリンではルールも戦略も別物なので、「海外選手との差を痛感した」と後に語っています。
日本の「競輪」と「ケイリン」の違いとして、ラインという概念が存在せず、純粋に脚力勝負なので、神山雄一郎選手ほどの選手でもダッシュ力や最大速度では海外の強靭なフィジカルを持った選手には太刀打ちできなかったようです。
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まとめ
今回は、競輪界のレジェンド神山雄一郎選手にスポットを当てて紹介してきましたが、いかがでしたか?
現在、52歳で現役選手として活躍されていますが、64歳でも現役を続けている橘内茂夫選手のように、まだまだファンを楽しませてくれそうですね。
神山雄一郎選手の今後の活躍に期待しましょう。