別府競輪の開設記念競輪、「オランダ王国友好杯」が12月の競輪を彩ります。今年で開設70周年になる別府競輪場ですが、2年前の2018年まで記念競輪の名称は「別府八湯ゆけむりカップ」という実に別府らしいものでした。
しかし、別府には隠れたオランダとの友好の歴史がありました。1600年、オランダのロッテルダムを出航したリーフデ号が、豊前国の臼杵湾に漂着します。リーフデ号が属していた艦隊は太平洋にて嵐に見舞われ、生存者は出航時の5分の1に過ぎませんでした。
生存者の中にはヤン・ヨーステンやウィリアム・アダムスといった日本史に名を残す人材がおり、徳川幕府が鎖国中もオランダに門戸を開いたのは、このリーフデ号のつながりがあったからとも言われています。
まさしく豊前、すなわち大分の地から日本とオランダの400年以上に渡る友好は始まりました。2000年には現在のオランダ国王であるオランダ皇太子の来場を賜り、別府競輪ではF1開催としてオランダ王国友好杯が催されていました。
2019年からオランダ王国大使館の認可をもってG3に昇格したオランダ王国友好杯は、今まさに競輪が世界のケイリンにならんとする時代、その力を図る意味合いも込めた一戦になっています。
目次
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の詳細情報
2019年は激しいまくりあいを南関東ラインが制しました。ここを勝利した神奈川の松井宏佑選手は、先日の朝日新聞社杯競輪祭2020(小倉競輪G1)において決勝に進出し、南関東ラインの先頭の大役を見事に果たし、同県の郡司浩平選手の初G1制覇に貢献しました。
オランダ王国友好杯は、大国の支配から解き放たれ、猛烈な勢いで海洋国家として世界の海に進出したオランダ王国のような、出世レースとしての風格を備えつつあるのかもしれません。
であれば、今年もベテランのみならず、中堅や若手までその活躍を期待していきたいものです。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の開催期間
2020年12月3日(木)~2020年12月6日(日)
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の出場選手
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の出場選手の一覧です。
S級S班からは2人が出場しますが、それ以上に目立つのは地元九州の選手の多さ、それに匹敵する数の南関東からの遠征勢です。
九州はSSの中川誠一郎選手を筆頭としていますが、中川選手はどうもピリッとせず、グランプリへの出場を逃しました。しかし、地元の大塚健一郎選手と小岩大介選手を始めとして、決して侮れない存在です。
ただ、南関東からのメンツがとても濃いのが、オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の特徴です。千葉の鈴木裕選手を始め、多くのS1ならびにS2選手を送り込んできました。
広島の松浦悠士選手、新潟の諸橋愛選手、三重の浅井康太選手といった個のポテンシャルに対し、多く勝ち上がれば集団の力で対抗できます。そうした面からの展開にも注目でしょう。
級班 | 地区 | 選手名 | 期別 |
SS | 中国 | 松浦 悠士 | 98 |
SS | 九州 | 中川 誠一郎 | 85 |
S1 | 北日本 | 伊藤 大志 | 86 |
S1 | 北日本 | 斎藤 登志信 | 80 |
S1 | 北日本 | 菅田 壱道 | 91 |
S1 | 北日本 | 山崎 芳仁 | 88 |
S1 | 関東 | 芦沢 辰弘 | 95 |
S1 | 関東 | 木暮 安由 | 92 |
S1 | 関東 | 黒沢 征治 | 113 |
S1 | 関東 | 諸橋 愛 | 79 |
S1 | 南関東 | 鈴木 裕 | 92 |
S1 | 南関東 | 岩本 俊介 | 94 |
S1 | 南関東 | 野口 裕史 | 111 |
S1 | 南関東 | 斉藤 竜也 | 73 |
S1 | 南関東 | 近藤 俊明 | 87 |
S1 | 南関東 | 大塚 玲 | 89 |
S1 | 南関東 | 萩原 孝之 | 80 |
S1 | 中部 | 浅井 康太 | 90 |
S1 | 中部 | 伊藤 裕貴 | 100 |
S1 | 近畿 | 中井 太祐 | 97 |
S1 | 近畿 | 石塚 輪太郎 | 105 |
S1 | 近畿 | 南 修二 | 88 |
S1 | 近畿 | 古性 優作 | 100 |
S1 | 中国 | 三宅 伸 | 64 |
S1 | 中国 | 岩津 裕介 | 87 |
S1 | 中国 | 河端 朋之 | 95 |
S1 | 四国 | 福島 武士 | 96 |
S1 | 四国 | 阿竹 智史 | 90 |
S1 | 四国 | 島川 将貴 | 109 |
S1 | 四国 | 渡部 哲男 | 84 |
S1 | 九州 | 加倉 正義 | 68 |
S1 | 九州 | 園田 匠 | 87 |
S1 | 九州 | 林 慶次郎 | 111 |
S1 | 九州 | 大塚 健一郎 | 82 |
S1 | 九州 | 小岩 大介 | 90 |
S2 | 北日本 | 木村 弘 | 100 |
S2 | 北日本 | 泉 慶輔 | 99 |
S2 | 北日本 | 尾形 鉄馬 | 107 |
S2 | 北日本 | 杉山 悠也 | 89 |
S2 | 北日本 | 根本 哲吏 | 97 |
S2 | 北日本 | 岡部 芳幸 | 66 |
S2 | 北日本 | 平沼 由充 | 83 |
S2 | 北日本 | 金沢 幸司 | 91 |
S2 | 北日本 | 中田 雄喜 | 97 |
S2 | 北日本 | 小酒 大勇 | 103 |
S2 | 関東 | 関 貴之 | 93 |
S2 | 関東 | 堀内 昇 | 95 |
S2 | 関東 | 小林 潤二 | 75 |
S2 | 関東 | 蕗澤 鴻太郎 | 111 |
S2 | 関東 | 藤田 竜矢 | 88 |
S2 | 関東 | 山田 義彦 | 92 |
S2 | 関東 | 古屋 琢晶 | 90 |
S2 | 関東 | 小林 令 | 109 |
S2 | 南関東 | 江守 昇 | 73 |
S2 | 南関東 | 武井 大介 | 86 |
S2 | 南関東 | 三上 佳孝 | 88 |
S2 | 南関東 | 矢口 大樹 | 95 |
S2 | 南関東 | 佐藤 和典 | 70 |
S2 | 南関東 | 丸山 啓一 | 74 |
S2 | 南関東 | 望月 永悟 | 77 |
S2 | 南関東 | 大木 雅也 | 83 |
S2 | 南関東 | 大石 剣士 | 109 |
S2 | 南関東 | 望月 一成 | 111 |
S2 | 中部 | 伊藤 正樹 | 71 |
S2 | 中部 | 北野 良栄 | 95 |
S2 | 中部 | 浜口 高彰 | 59 |
S2 | 中部 | 山口 泰生 | 89 |
S2 | 中部 | 長尾 拳太 | 103 |
S2 | 中部 | 三宅 裕武 | 88 |
S2 | 中部 | 皿屋 豊 | 111 |
S2 | 中部 | 宮越 大 | 77 |
S2 | 中部 | 坂上 樹大 | 80 |
S2 | 近畿 | 北川 紋部 | 78 |
S2 | 近畿 | 伊原 克彦 | 91 |
S2 | 近畿 | 武田 哲二 | 65 |
S2 | 近畿 | 窓場 千加頼 | 100 |
S2 | 近畿 | 三谷 政史 | 93 |
S2 | 近畿 | 小林 史也 | 107 |
S2 | 近畿 | 山本 巨樹 | 100 |
S2 | 近畿 | 堀 僚介 | 109 |
S2 | 中国 | 内藤 敦 | 80 |
S2 | 中国 | 柏野 智典 | 88 |
S2 | 中国 | 藤原 悠斗 | 91 |
S2 | 中国 | 坂本 修一 | 99 |
S2 | 中国 | 奥村 諭志 | 111 |
S2 | 中国 | 吉永 好宏 | 80 |
S2 | 中国 | 桶谷 明誉 | 94 |
S2 | 中国 | 才迫 開 | 101 |
S2 | 四国 | 蓮井 祐輝 | 93 |
S2 | 四国 | 三ツ石 康洋 | 86 |
S2 | 四国 | 久米 良 | 96 |
S2 | 四国 | 藤岡 隆治 | 98 |
S2 | 四国 | 小川 丈太 | 111 |
S2 | 四国 | 山中 貴雄 | 90 |
S2 | 四国 | 掛水 泰範 | 98 |
S2 | 四国 | 大崎 飛雄馬 | 88 |
S2 | 九州 | 山口 貴嗣 | 82 |
S2 | 九州 | 津村 洸次郎 | 101 |
S2 | 九州 | 成松 春樹 | 93 |
S2 | 九州 | 大竹 慎吾 | 55 |
S2 | 九州 | 菅原 晃 | 85 |
S2 | 九州 | 安東 宏高 | 90 |
S2 | 九州 | 萱島 大介 | 99 |
S2 | 九州 | 森山 智徳 | 98 |
S2 | 九州 | 嘉永 泰斗 | 113 |
S2 | 九州 | 上吹越 直樹 | 86 |
S2 | 九州 | 伊藤 颯馬 | 115 |
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の賞金
決勝着順 | 賞金額 |
優勝(1着) | 363万円 |
2着 | 236万円 |
3着 | 157万円 |
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の賞金額は、記念競輪の賞金基準に沿っています。
ひとつ面白いこぼれ話として、大レースになるほど先頭で誘導する選手の「うまみ」は大きくなるのをご存知でしょうか。
例えば、このオランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)では、決勝での誘導員は6万7,000円もの報酬を得られます。一次予選の誘導員でも1万2,000円です。
同じく別府競輪場にて11月に行われたF1開催を例に取ると、A級レースの予選で5,000円、A級決勝でも1万3,000円ですから、いかに格が大事かがわかろうものです。
ただ、それほどに先頭に立って適切なペースで車列を誘導するのが重要である、と言い換えることもできるでしょう。素人には務まらない隠れた花形、それが誘導員です。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)のアクセス
オランダ王国友好杯は、別府競輪場の開設記念競走です。
別府競輪場は大分県別府市にあります。今開催は有観客を予定していましたが、新型コロナウイルスの再度の流行が観測されているため、場合によっては入場制限や無観客開催も検討されている旨が主催の別府競輪から発表されています。
情勢は流動的ですので、現地での観戦を考えておられる方は、常に公式の一次情報で最新のものを確認するようにしてください。
住所・電話番号・メールアドレス
住所 | 大分県別府市亀川東町1-36 |
電話番号 | 0977-67-5578 |
メールアドレス | keirin-te@city.beppu.lg.jp |
電車&バスでのアクセス
JR別府駅およびJR亀川駅から無料バスが運行。
大分交通または亀の井バスの2社があり、いずれも「照波園(別府競輪場前)」にて下車。
自動車でのアクセス
別府競輪場には、約1,300台が利用できる無料駐車場があります。九州横断道路を利用する場合、大分自動車道の別府インターチェンジから約10分で到着が可能です。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)のレース展望
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)のレース展望に進みます。
公式が発行しているパンフレットにレース展望が記載されておりますので、その内容を確認してみましょう。
10月を終了した時点で賞金ランキング1位の松浦悠士が主役になる。8月オールスター競輪で脇本雄太を破って優勝したことでGP参戦が確定。しかし、人の力を借りての優勝に、納得はしていなかった。今度は自力で倒すことが目標になった。その後の10月寛仁親王牌は、脇本雄太や新田祐大のナショナルチーム組に自力で挑んで完敗。GP制覇に向けて、力の差を詰めることが課題になった。別府記念には、競輪祭での激闘を経て、攻撃力を増した「強い松浦」が登場するはずだ。別府競輪は昨年2月の全日本選抜と、7月のSNFで決勝進出しており、松浦にとっては相性の良いバンクになる。中国勢では、岩津裕介、柏野智典、河端朋之らが松浦と共に優勝を狙う有力候補。岩津はレースを読む能力の高さに定評があり、大叩きしない成績にも繋がっている。G1でも自力を出すなどタテ脚に磨きをかけており、松浦を脅かす強襲劇がタマにある。柏野は8月オールスター競輪で決勝進出したことで、S2班ながら競走得点が110点にも迫る勢い。河端は先行での連絡みが殆どなので、今回も中国勢の先陣で頑張ることになりそうだ。8月オールスター競輪では4走ともバック先制して3連対率が7割5分と頑張った。ただ、河端はスプリンターの特徴で寒い時期が苦手なのが気になる。好調好成績の岩永好宏も上位陣を追走する力を付けてきたので目標に恵まれると準決勝突破まで期待できる状態だ。
九州地区は中川誠一郎、大塚健一郎、園田匠の優勝候補に、若手の嘉永泰斗、伊藤颯馬ら将来が有望なスター候補が加わって充実の顔ぶれ。中川は節目の500勝を達成するまでは自力主体に頑張る決意。寒い時期は成績に波が出てくる傾向があるが、11月防府記念の初日特選ではSS班の清水裕友、郡司浩平らをまくりで破っており、現状の成績と比べて、状態は悪くない。別府は昨年2月の全日本選抜で優勝した相性の良いバンクなので、競輪祭の結果次第では優勝を狙える状態での参戦もありそうだ。大塚は、悲願の地元記念優勝に向けてF1はコンスタントに決勝進出するまで調子を引き戻してきた。「九州はひとつ」を基本姿勢に、九州で結束して層の厚い他地区に対抗する構えだ。園田は実戦で走りながら調整していくタイプなので、脚の状態は問題ないとみて良いだろう。昨年の別府SNFで決勝3着の実績が光る。近況も、9月共同通信社杯で決勝3着と乗れている。11月の地元競輪祭や、地元地区の別府記念も狙える状態で参戦してくるはずだ。ただ、ダッシュ系の自力型の仕掛けに離れることがあるのが玉に瑕だ。嘉永と伊藤の若手両者は、S級の競走に慣れて練習の力を発揮し始めたので、確変の走りまで有りそうだ。
シリーズで5指に入る諸橋愛に、自在戦でF1の優勝もある木暮安由、6月高松宮記念杯で決勝進出してランクアップを果たした芦澤辰弘らの優勝候補にに、若手の黒沢征治、蕗澤鴻太郎らで攻める関東勢も充実の顔ぶれ。諸橋は目標の無いときには鋭い捌きと落車覚悟の力強い突っ込みで乗り切ってくる。また、目標が不発の時のリカバリーは絶妙で、大敗が少ないし、成績が安定している。関東の追い込み型では格上の選手だ。スピード競輪に対応するトレーニングの成果でレースの流れを見極めながらの運行と捌きが出来ているのが凄い。木暮は競走点数でも過去の実績でも諸橋には及ばないが、別府記念との相性は良い点を注目したい。最近では平成26、29年と令和元年に決勝進出している。自力勝負が多くなってスピード競輪にも対応できている。基本的に西の自力型には付けないタイプだ。芦澤はSS班の平原康多に付けきっての高松宮記念杯での優出が大きな自信になった。その後はF1優勝や、8月オールスター競輪で2連対など、良い状態だ。黒沢は平原康多と練習するようになってスピードアップ。G1で勝ち星があるので、準決勝突破を狙える力は有るし、蕗澤も記念競輪でコンスタントに準決勝まで進出している実績が光る。
北日本勢は菅田壱道、山崎芳仁の機動型と、SS班の佐藤慎太郎が優勝を狙って結束するはずだ。佐藤は昨年2月全日本選抜で準優勝しているし、7月のSNFでも決勝4着と別府との相性は超の字が付くほど良いので、自信満々で乗り込んでくるはずだ。10月終了時点で賞金ランキングは6位。2年連続のGP参戦を狙える位置にいることがモチベーションになって頑張っている。北日本の若手先行選手が育ってきたことも追い風になっている。北日本の中で、信頼して前を任せている自力選手の一人である菅田壱道が居るのは大きい。ただ、今年のオールスター競輪や寛仁親王牌でタイムが出る選手が勝つ流れに危機感を持って、新しいことへのチャレンジを考えている。山崎は年齢的に自力が少なくなったし、G戦での活躍も限定的になってきた。ダッシュを磨く瞬発系の練習を取り入れて少しずつ良くなってきたが、どうか。番手の走りは勉強中だが、最近は横の動きも厳しくなってきた。
中部勢は浅井康太が優勝候補で、山口泰生、伊藤裕貴、皿屋豊らが優出候補で続く顔ぶれ。浅井の場合、中部地区は若手の自力型が育っていないので、いつでも自力で戦える準備をして参戦している。G1では孤軍奮闘で苦戦しているのが現状。上位陣と戦うには上積みが必須という自覚を持って練習も頑張っている。ただ、さすがに記念競輪での存在感は十分で、今年の記念優勝は10月まで3回と頑張っているので、別府記念も優勝の有力候補になる。浅井は10月が終了した時点で賞金ランキングは13位。競輪祭でラストチャンスを物にするようだと、一気に主役に躍り出そうだが、どうか。山口は記念競輪の決勝戦に進出するまで力を付けてきたので、今回も旬の狙い目選手として楽しみだ。皿屋は記念競輪の準決勝が壁になっているが、G1で先行が出来るようになったし、脚は上がっているので決勝進出が期待できる。
南関勢、四国勢、近畿勢は層が薄いのが難点だが、南関勢では鈴木裕、四国勢では阿竹智史、近畿勢では古性優作と、核になる面々が記念優勝を狙う力を持っているので注目したい。鈴木は持病のヘルニアや腰痛が出ないように考えた練習をするようになってから成績が良くなってきたし、安定してきた。位置を取っての差し・まくりの基本戦法が固まったのも好成績の原因だ。上りタイム10秒台のまくりも出るようになって、相手を力でねじ伏せる走りができるようになったのは大きい。鈴木には、同県で徹底先行の野口裕史や、別府記念で優勝実績もある松坂洋平、肋骨骨折の後遺症が癒えて少しずつ良くなってきた萩原孝之、上位の自力型にも追走キッチリで決め脚も鋭い齊藤竜也、今年に入ってブレイクしてきた若手の大石剣士ら、頼れる援軍が揃っている。結束力で定評がある南関勢だけに、ラインで戦える展開になると波乱の目で面白い。
阿竹智史は、今まで競走の直前まで練習をしているタイプだったが、調整をするようになってから成績も上がってきたし、安定してきた。ラインの若手が育ってきたことで、目標に恵まれているのも追い風になっている。島川将貴は練習の強さで定評があるが、実戦でも上り10秒台の自力を決めるなど噛み合ってきた。相手に読まれない走りもするようになって、競走得点も110点の大台に迫ってきた。8月オールスター競輪と9月共同通信社杯で2場所連続して準決勝進出。10月寛仁親王牌はベストの状態ではなかったが、それでも1次予選を突破している。その後の修正で再び戦える状態に引き戻してきた。10月寛仁親王牌で①⑤③②と健闘している愛媛の闘将渡部哲男までが、四国勢の優勝候補になる。
古性優作は、10月終了時点で賞金ランキングが11位であり、GPを狙える好位置につけている。単騎でも前々のアグレッシブな走りでレースを作り、あとは自力自在戦が基本スタイル。8月オールスター競輪決勝で脇本雄太を差せずに3着と惜敗。脇本を攻略するにはタテ脚を磨くしかない結論に達して、長い距離の乗り込みなどでパワーアップを狙っている。その後は10月京王閣記念で決勝進出と、戦える状態を維持している。近畿勢は、ビッグネームの南修二までが優勝候補になる。石塚輪太郎は、引けない時にはイン粘りや中段の位置取りなど戦法に柔軟さが出てスピード競輪に対応している。仕掛けるタイミングが来たら距離に関係なく仕掛ける走りを意識して頑張っている中井太祐が勝ち上がり戦で近畿ラインを牽引する。
引用元:別府競輪 オランダ王国友好杯PDF版公式パンフレット
別府競輪公式による詳細なレース展望でした。作成された時期が朝日新聞社杯競輪祭の前にあたる11月中旬ではあるものの、現在の競輪界の力関係の一部をよく表しているといえるでしょう。
もちろん、当初からS級S班の選手のうち3人のみが出場予定で、かつ福島の佐藤慎太郎選手が欠場を決めたこともあり、全体的な展望には修正が必要な部分もあるでしょう。
また、直前の競輪祭に南関東からは3人が決勝に残り、さらに神奈川の郡司浩平選手が見事に初G1制覇を果たしたこともあり、決して層が薄いと断言できない状況です。
今回、大将格として登場する鈴木裕選手も競輪祭では3連対率6割を確保し、ここでも決勝進出が期待できる点について、付記しておきます。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)が行われる別府競輪場の特徴
別府競輪場の特徴は、周長400mでプレーンなバンクのように見えて、秋冬にはバックで激しい向かい風が吹きます。このため、選手からは「極端にインが重い」という評判でした。
2017年に施設の増設があり、こうした状況は改善された部分もあるものの、風量によってはイン側の自力選手は苦労するでしょう。そういった環境もあって、競りはアウトからでも充分に勝負できます。
ただ、最後の直線まで出ると、最内には部分的に伸びる箇所が存在します。先行ラインはここまで踏ん張れるか、あるいはクレバーな選手がインを突けるかといった点にも注目で、これが成功すると高配当をもたらすでしょう。
一方、ホームストレートは中ごろも伸びやすい作りのため、豪快な差しやまくり追い込みへの期待も膨らみます。事実、別府競輪における強い差し選手への注目は車券戦略の基本とされています。決め手のある選手を中心に車券を組み立てるのがおすすめです。
なお、別府競輪場には全国で唯一の「競輪場内の温泉」(競輪温泉)が存在します。まさしく温泉地別府ならではといったところでしょう。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の有力選手と注目選手
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)において制覇が見込める有力選手、および車券戦略に組み込みたい注目選手を紹介します。
彼ら自身に加え、ラインに入っている場合はその総合力が高まる点にも注目してください。むしろ、こうした選手たちの力を上手く活かせるところから、万車券は飛び出ることがあります。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の有力選手
朝日新聞社杯競輪祭2020(小倉競輪G1)でも優勝候補に推されていた松浦選手ですが、準決勝にて外帯線内進入の判定で失格となってしまいました。
これにより、23開催連続での決勝進出記録が途絶えてしまう悔しい結果となり、小倉を去ることとなります。
しかし、賞金ランキング1位を走る広島の英雄は、捲土重来を諦めていないでしょう。再び関門海峡を渡って九州に上陸し、別府の地での凱歌を狙っています。
もう一人の有力選手として、福岡の園田匠選手を取り上げます。2015年には弥彦競輪場で開催された寛仁親王牌を制し、S級S班を務めたこともある実力者です。
園田選手は競輪祭でも1勝をあげ、準決勝では惜しくも4着ながら決勝進出が見える位置まで迫りました。好調を維持したまま別府に入り、層の厚い九州勢とともに駆け上がる期待が持たれます。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の注目選手
次は、オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)において、活躍が期待される選手を紹介しましょう。
1人目は熊本支部の22歳、2020年9月にS級2班に特別昇班を果たしたばかりの嘉永泰斗選手です。直近の松山のF1開催S級戦では3戦すべてバックを踏んで1着1着1着の完全Vを達成しています。
考えうる最高の状態で、地元地区の記念競輪に初参戦できる、と嘉永選手に関しては評価できるでしょう。この勝利がフロックでないことは、そもそもA級からS級に特別昇班した事実が証明してくれています。
2人目には南関東地区より、静岡支部の大石剣士選手を紹介します。こちらも24歳と若手の成長株であり、すでに記念競輪のみならず、特別競輪での勝利歴もあります。
先の項目で引用した公式のレース展望にて、期待の自力選手として挙げられるのも納得の活躍ぶりと言えるでしょう。
強い自力選手の存在は、ラインを強くし、ひいては同地区選手の勝ち上がりを支援します。それによって多くのつながりのある選手が勝ち上がることで、レースの展開を有利に運べるようになります。
大石選手の激烈な一撃は、他地区のラインにとって相当な脅威となることでしょう。
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)の予想のコツ
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)における事実として、歴代優勝選手の明確な偏りを知っておくと役立つでしょう。
4日間開催導入後の2002年以降、地元九州の選手は4回優勝していますが、これをしのぐ5回の優勝を達成しているのが南関東の選手たちです。あとは関東3回、北日本2回、中部と近畿と四国が1回ずつです。
ここ5回の優勝者は東京の後閑信一選手(2018年引退)、愛知の金子貴志選手、静岡の岡村潤選手、千葉の田中晴基選手、神奈川の松井宏佑選手です。関東、中部ときて3連続の南関東による君臨が続いていることは、予想戦略にも活かしたい事実でしょう。
九州の選手の優勝はというと、2007年と2008年に連覇した長崎の井上昌己選手まで遡らなければなりません。地元の大分の選手については、2002年以降は優勝できていないのが事実です。反面、南関東と関東の選手が躍動しているのがよくわかります。
この傾向は各予選の勝ち上がり対象、ひいては車券対象になる選手の所属地域の目安になるでしょう。
あとは別府競輪場のバンクの特性である、海からの強風の情報が重要です。逃げを信条とするタイプの選手には、重いバンクのつらいレースが待っている可能性を考慮しましょう。
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オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)のまとめ
オランダ王国友好杯2020(別府競輪G3)は、11月の朝日新聞社杯競輪祭2020(小倉競輪G1)の後の箸休め的な扱いをされるケースもありますが、実際には出世レースとしての立場を明確にしつつあります。
実際、昨年の覇者は神奈川の松井宏佑選手でした。113期の当時27歳で、直前の競輪祭で予選落ち側ながらも3連勝を叩き出した勢いもそのままに、この別府の地で記念競輪の初制覇を達成した形になります。
今年も競輪祭では1着をもぎ取り、高配当に貢献しました。残念ながらオランダ王国友好杯は回避しましたが、それも年末の地元平塚のヤンググランプリに出場するためです。昨年は3着でしたから、今年こそ栄冠をもぎ取る決意でしょう。
別府競輪は名物の温泉になぞらえて、「ココロ、沸かせ!」をキャッチコピーとして採用しています。一度はまったりとした気持ちになった競輪ファンの心をオニアツにしてくれる激しい戦いが、師走の別府で開幕します。