寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント2022(前橋競輪G1)が、再び前橋競輪場に帰ってきました。20残り4分の1となった2022年、その秋を彩る激戦必至の名物G1競走が始まります。
この寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント、非常に明解な傾向があることでも有名であり、必然的に注目すべきポイントが絞られてくるでしょう。
当記事では、有益な情報をわかりやすくまとめて提供していきます。今年で第31回となる寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントのおともに、ぜひ何度でもご堪能ください。
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- 今年は前橋開催！寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの近年の傾向を紐解く
- 関東勢がこのシリーズの主役だ！3人のS級S班を項目ごとに分析する
- 前橋競輪場は個性がハッキリしたバンク！この特徴は絶対に知っておくべきです
目次
寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント2022(前橋競輪G1)の詳細情報
| 開催年 | 優勝選手 | 所属支部 |
| 2017年(前橋) | 渡邉 一成 | 福島 |
| 2018年(前橋) | 脇本 雄太 | 福井 |
| 2019年(前橋) | 村上 博幸 | 京都 |
| 2020年(前橋) | 脇本 雄太 | 福井 |
| 2021年(弥彦) | 平原 康多 | 埼玉 |
寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント。「親王牌」の略称で親しまれるこの競走は、名前のとおりに寬仁親王がトロフィーを下賜されるシリーズとして始まりました。
第1回から第9回までを前橋で開催している事実からも見えるように、歴史的な経緯もあって、基本的には前橋バンクでの開催が主流となっているこのレース。これまでの開催実績も前橋のほかには青森や弥彦に限られていて、昨年2021年はまさしく弥彦での挙行でしたが、今年は再び前橋に戻ってきました。
親王牌には「関東地区の選手が強い」という明確なデータがあるのも、予想するうえで重要な判断材料となるでしょう。優勝回数第1位の関東に続く第2位は近畿なのですが、その屋台骨ともなるであろう福井の脇本雄太選手が、今回はエントリーしませんでした。
したがって、今年はより強く例年の傾向が出る、「関東の年」になる可能性が高くなっています。S級S班が全員参戦するために一概には断言できませんが、それでもひとつの大きな指標には成り得るでしょう。
銀輪ギャンブラー真里谷のシリーズ展開予想
先の項目で触れたとおり、親王牌のゆくえを左右するのは「関東地区の有力選手」であると考えられます。シリーズを展望していくにあたっては、やはり関東勢を中心に構築していきたいものです。
- 昨年優勝の金看板！平原康多が関東の誇りの体現者となる
- 今年もビッグタイトルがほしい！吉田拓矢が超一流であり続けるために
- 決して「関東の3番手」では終わらない！宿口陽一の勝利への執念を見よ
S級S班が全員参戦の事実。なかでも前提条件を考えれば、関東のSS3名にフォーカスを絞るのは必然的な流れでしょう。
とはいえ、G1競走の高みを目指すメンバーがそろった本シリーズ。良好なコンディションを保持していなければ、勝ち上がるのは困難を極めます。上記3名は準決勝、決勝と勝ち上がれたものか。最近の成績を軸に、その実際のところを占っていきましょう。
シリーズ展開予想①／昨年優勝の金看板！平原康多が関東の誇りの体現者となる
平原康多選手が偉大な競輪選手であるという点について、今更説明する必要はないでしょう。それは「昨年の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの優勝選手である」という称号だけでも、十分に事足りる部分です。
では、この偉大なるレーサーが、今回の親王牌でも活躍できる状況にあるのか？
この点については、問題なく「優勝候補である」と断言できるでしょう。5節前の「ふるさとカップ2022(弥彦競輪G3)」では1着1着2着1着の準完全Vを達成。問答無用のハイスペックを示すとともに、関東圏での圧倒的な信頼感を見せつけました。
4走前の「オールスター競輪2022(西武園競輪G1)」こそ悔しい準決勝敗退となってしまいましたが、最終日の特別優秀競走ではうっぷんを晴らすかのような1着ゲット。
その後も「瑞峰立山賞争奪戦2022(富山競輪G3)」と「長良川鵜飼カップ2022(岐阜競輪G3)」ではともに決勝2着の準優勝、前節の「共同通信社杯2022(名古屋競輪G2)」では3日目まで3連勝で激烈な力を見せてくれました。
しかしながら、この共同通信社杯の決勝戦。平原選手は落車してしまいました。どうにか再乗して7着完走こそ果たしたものの、今回はそこからぶっつけでの親王牌挑戦です。コンディションが整えられているかどうか、心配な点があるとすればそこになるでしょう。
シリーズ展開予想②／今年もビッグタイトルがほしい！吉田拓矢が超一流であり続けるために
「朝日新聞社杯競輪祭2021(小倉競輪G1)」の優勝は、まさしく待望された大器の開花でした。黄金世代と称された107期のスーパールーキー、吉田拓矢選手。彼がついにトップレーサーになったのは、決してフロックなどではありません。それは、S級S班となった2022年も活躍を続けていることからも明らかです。
近走の実績もしっかりしたもので、5節前の「ふるさとカップ2022(弥彦競輪G3)」決勝進出はもちろん、3節前の「みちのく記念 善知鳥杯争奪戦2022(青森競輪G3)」での優勝は見事なものでした。その直前の「オールスター競輪2022(西武園競輪G1)」の準決勝で落車棄権していただけに、余計にホッとする栄冠だったと言えるでしょう。
ただ、2節前の「共同通信社杯2022(名古屋競輪G2)」は準決勝で失格。前節の「蒲生氏郷杯王座競輪2022(松阪競輪G3)」も、準決勝敗退になっています。
とはいえ、27歳の吉田拓矢選手は、ラインを活かす意欲の強い競走が多いのも確かです。このため、吉田選手自身が大敗を喫しながらも、同じラインの選手がしっかり上位に入線していることも多い点を、忘れてはいけません。
競輪という競技は、ラインの美学でもあります。そして、ラインの総合力を活かし、仲間の実力を引き出すという部分において、吉田拓矢選手は現役最高と言っても差し支えない力を持っています。
「親王牌は関東が強い」という文言が来年にも受け継がれる成績を、吉田選手の脚力が生み出すかもしれません。勝ち上がりの有無も当然ながら、各競走でのラインへの貢献にも要注目です。
シリーズ展開予想③／決して「関東の3番手」では終わらない！宿口陽一の勝利への執念を見よ
苦労人がついにつかんだS級S班の座。1984年4月3日生まれの38歳、埼玉の宿口陽一選手が「高松宮記念杯競輪2022(岸和田競輪G1)」を制した時、このように語られました。
それだけに、連覇をかけて臨んだ今年の高松宮記念杯競輪、東日本の準決勝戦で大量落車に巻き込まれて棄権という結果になったのは、とても悔しかったことでしょう。
落車の影響もあってか、7月ごろは競走に精彩を欠く場面が見られましたが、8月の「オールスター競輪2022(西武園競輪G1)」では特選競走と特別優秀競走で1着を勝ち取り、復調の気配を見せました。
2節前の「瑞峰立山賞争奪戦2022(富山競輪G3)」でも決勝に進出し、さあこれからというところで、前節の「共同通信社杯2022(名古屋競輪G2)」です。なんとこのシリーズの二次予選でも落車棄権。脇本雄太選手の連勝が途切れたこのレースで、熊本の嘉永泰斗選手ともども大きな不利を受ける形になってしまいました。
そこから、今回の親王牌へ直接駒を進めた形。落車は競輪選手として避けられない宿命とはいえ、こうも短期間にアクシデントが続いたことで、やはりコンディション面への悪影響を考えざるを得ません。
今回の親王牌もまた、関東地区の最強の顔ぶれがそろっており、宿口選手もその一角としての働きが期待されています。
傷だらけの体は、仲間との共闘でカバーする。こうした精神でもって、再び多くの競輪ファンを沸かせる勝利を見せてほしいところです。
前橋競輪場のバンクの特徴
1990年、グリーンドーム前橋が完成したことで、前橋競輪場は日本で初めての全天候型屋内バンクになりました。同時に、前橋バンクは全国43の競輪場のなかでも一二を争うレベルで「個性的」な存在にもなったのです。
- 前橋競輪場の周長は335m！？壁のようなカントを突き抜けろ！
- 前橋バンクは超高速！度胸ある逃げが活路を開く！
屋内で天候の影響を受けず、さらにはその形状も超がつくレベルで独特。これらの要素を上記2つに集約し、各項目ごとに解説していきます。個性的なバンクだからこそ、ぜひともその特徴は押さえておきましょう。
また、当サイトが以前より公開している、前橋競輪場の特集記事もあわせてご覧ください。的中率と回収率向上、さらにはグリーンドーム前橋本体の魅力にもたっぷり触れられて、親王牌がより楽しくなる情報満載です。
特徴①／前橋競輪場の周長は335m！？壁のようなカントを突き抜けろ！
前橋競輪場の周長は、珍しいことに335mです。いわゆるショートバンクは333mが基本なのですが、前橋の場合は内圏線が333mにあわせてあるため、周長がそれより2m長い計算となっています。
この前橋のショートバンクの特異性は、何よりも傾きを示すカントのきつさに表れています。前橋バンクのカントは「壁のよう」とささやかれるほど急なもので、36度に及ぶ角度は国内でもトップクラスです。
屋内競技場のため、雨風の影響を受けることはありません。走りやすさは全国トップで、尖った特性も全国トップ。これこそが、前橋バンクを端的に示した評価と言えるでしょう。
これらの要素から、ショートバンクに強い選手、ならびにカントを利用した競走のうまい選手は、前橋で目覚ましい活躍をする傾向にあります。
特徴②／前橋バンクは超高速！度胸ある逃げが活路を開く！
前橋は短走路でカントがきつい、超高速バンクの代表格とも言える存在です。この事実は1着と2着の決まり手をそれぞれ俯瞰することによって、より説得力を増すでしょう。
何しろ、前橋における1着決まり手は「逃げ：35%」「まくり：30%」「差し：35%」という、圧倒的に自力型有利の結果が出ています。スピードに乗りやすく、同時にその速度が落ちにくいという事実は、先頭選手が気分良く競走をした場合に、それを捉えるのは容易ではない現実を指し示します。
しかも、逃げがまくりを優越していることからも、「スピード自慢の機関車先行型が、ラインのために半ば自己犠牲的に踏んだら、案外粘りきってしまった」という状況を呼び起こします。ラインの番手にヨコの働きが上手い選手がいて、きっちり別線を止める働きをした場合、この傾向はより強くなるでしょう。
こうした傾向は、2着決まり手にも健在です。「逃げ：24%」「まくり：10%」「差し：18%」「マーク：48%」という数字は何を証明するのか？
- 後ろからの選手が届ききれずに2着になる
- 逃げた選手がバテにくく、2着に残りやすい
つまり、上記のような前橋の「法則」が見えてきます。番手勝負の選手もタテに動けるタイプであることが求められる一方、マーク屋タイプが1着を勝ち取るためには、よほど先行選手同士がやり合うパターンでないと厳しいでしょう。
寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント2022(前橋競輪G1)のまとめ
2022年シーズンもいよいよ終盤です。親王牌はそれそのものがビッグタイトルであることは言うに及ばず、来季のS級S班を確定、ならびに本年末のKEIRINグランプリへの切符をかけた戦いになる点で、熾烈な争いになるでしょう。
今年ここまでに開催された4つのG1競走は、福井の脇本雄太選手と大阪の古性優作選手が2つずつを分けあっています。他方、今回の親王牌にはその脇本選手がエントリーしていない事実は、「新たな席の獲得者」が現れる匂いにも満ちています。
関東地区の選手が強い傾向にある親王牌。ですが、そんなセオリーを打ち破るラインが現れる可能性があるのもまた、競輪の楽しみです。まして最高峰の戦いであるG1ともなれば、データ以上の激走を見せる遠征勢が現れるかもしれません。ぜひとも、新たな歴史の目撃者になりましょう。
前橋競輪場のアクセス
| 住所 | 群馬県前橋市岩神町1-2-1 |
| 電話番号 | 027-231-4508 |
前橋競輪場は、一般財団法人前橋まちづくり公社が管理運営する「グリーンドーム前橋」を主会場としています。無論、この施設は競輪がメインの利用法ではありますが、「多目的アリーナ」として分類されているとおり、ほかの用途にも使える点が特色と言えるでしょう。
2014年からは、ネーミングライツを取得したヤマダ電機の提案のもと「ヤマダグリーンドーム前橋」として愛されてきました。その後、2022年4月にネーミングライツ権が更新され、現在は「日本トーターグリーンドーム前橋」として、引き続き熱戦の舞台となっています。
電車・無料送迎バスでのアクセス
前橋競輪場の最寄り駅は、JR上越線や両毛線の「新前橋駅」、およびJR両毛線の「前橋駅」です。ただ、これらの駅から本場までは徒歩で向かうには距離があるため、「新前橋駅・始発、前橋駅・経由、本場行き」である無料送迎バスの利用が推奨されます。発着地点は新前橋駅の東口、および前橋駅の南口です。
この無料送迎バスは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響もあり、長らく運休が続いてきました。しかし、2022年4月より久々に運行を再開し、2022年10月現在も継続しています。利用を希望する方は、事前に各便の運行時刻を確認し、有効に活用しましょう。
自動車でのアクセス
前橋競輪場には約2,400台が収容可能な無料駐車場が整備されており、自動車でのアクセスにも適しています。最寄りインターチェンジは関越自動車道の「前橋IC」で、降りてからは約4kmほどの距離です。
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