競輪 落車
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競輪の落車事故は命を落とす可能性もあり非常に危険!落車事故の危険性を徹底紹介

UPDATE:2020.08.26
競輪コラム競輪マメ知識

競輪ファンであれば、車券を購入しレース中に応援していた選手が突然楽車してしまい、購入した車券がゴミになってしまったという経験は誰でも持っているかと思います。

そこで、今回は「落車」にスポットを当て競輪の落車とは何か、その危険性、落車が起こりやすい条件などについて解説していきます。

落車ってなに?

競輪 落車

まず、「落車」とは名前の通り、自転車競技において選手が転倒して自転車から落ちてしまう事を言います。

特に競輪やオートレースでは公式用語となっています。

そして、スピード競技でもある競輪での落車は、大きな事故や怪我につながることもあり大変危険です。

また、落車した際にどのような流れになっているのか解説していきましょう。

落車事故は命に関係するほど危険

競輪 落車

落車してしまうと、その衝撃によって鎖骨を骨折する選手が多くいます。

「競輪選手は鎖骨骨折を乗り越えてこそ一人前」と言われるほどに、落車と怪我は昔から競輪界で多く起きています。

最近の競輪レースでは保護具などが改良されたこともあり、大怪我をする事故は減りました。

しかし、それでも競輪はスピードの出る競技なので落車を避けられる訳ではありません。

そして、「落車事故」と呼ばれる大きな事故に繋がることも少なくありません。

2012年の夏には坂本選手落車事故で命を落としてしまった事故もありました。

この時、坂本選手はゴール直前で落車した選手を避けようとして、写真判定用のミラーボックスに時速70km以上のスピードで衝突してしまいました。

その後、すぐにAEDを使って病院へと運ばれましたが、還らぬ人となってしまいました。

このように、競輪の落車は、選手生命を絶ってしまうほど非常に危険です。

落車した場合の賞金は?

落車した選手はその後、賞金などをもらえるのでしょうか?

正確に言えば、落車するとその選手はレースを棄権することとなり、それを、落車棄権と呼びます。

もし、落車棄権した場合には、そのレースでの着順は最後となってしまいます。

そして、落車によりゴールまで走りきれなかったことから、100%受け取ることができず、20%が減り、80%の金額しかもらえません。

また、レース中に妨害行為や危険行為等の違反行為をした選手については、失格となり、この場合には賞金は支払われません。

落車してもレースは続く

競輪 落車

実はレース中に落車してしまったとしても、選手にレースを続ける意思さえあれば、再び自転車の乗り、ゴールを目指すことができるのを知っていましたか?

また、最終周回で30m線を越えた後に落車した場合は、レーサーを担いだり手で押したりしてゴールしても完走とみなされます。

なぜ、落車したとしても選手は完走を目指すのでしょうか。

それは、選手は完走することで着順に応じた賞金を受け取ることができるので、1円でも多く給料をもらうため、最後まで諦めずにゴールを目指します。

逆に、レースを続けることが難しい場合は、棄権扱いとなり賞金を受け取ることができなくなってしまいます。

私たちにとっては競輪はギャンブルですが、選手たちにとっては一つ一つのレースが給料に繋がる大事な仕事と言えます。

落車が起こりやすい条件

落車が起こりやすい条件について2002年から2007年までの6年間に行われた計206483レースを対象として調べました。

以下に条件ごとの集計結果を紹介していきます。

バンクの長さごとの発生率

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バンク長

レース数

落車率(%)

失格率(%)

333

31338

6.61

5.06

400

149276

6.45

4.67

500

25869

6.48

4.11

33はカーブが急なので落車しやすいかと思いましたが、400、500とはっきり差があるわけではありませんでした。

しかし、失格は500に比べて明らかに多くなっています。

最終34角で500なら外に持ち出すところでも33はその余裕がなくてイン突いて内抜き失格、というケースが多いからと推測するが、調べてみないと分からないです。

天候による発生率

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天候

レース数

落車率(%)

失格率(%)

晴れ

115149

6.38

4.70

曇り

70755

6.45

4.69

20099

7.12

4.31

480

5.62

5.00

雨が降ると失格が若干減るにもかかわらず落車が増えているので、やはり滑りやすいということがあるのかもしれません。

ただ、思った以上に大きな違いがない事が分かりました。

気温による発生率

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気温(度)

レース数

落車率(%)

失格率(%)

0-10

36084

6.20

4.45

10-20

68428

6.43

4.41

20-25

41254

6.54

4.70

25-30

34775

6.69

5.02

30-

29542

6.59

5.06

発生率を見ていくと、気温が上がると落車、失格とも増えてはいますが、ごく僅かなのであまり影響はないと考えられます。

風による発生率

競輪 落車

風力(m/秒)

レース数

落車率(%)

失格率(%)

0.0

22994

6.61

5.12

0.1-0.5

7430

6.43

4.72

0.5-1.0

40177

6.40

4.31

1.0-1.5

65322

6.44

4.55

1.5-2.0

19843

6.46

4.75

2.0-3.0

35570

6.56

4.82

3.0-4.0

11488

6.55

4.92

4.0-5.0

2955

6.23

4.57

5.0-

704

6.25

4.40

風速による発生率を調べましたが、ほとんど関係はないようです。

S、A級戦での発生率

レース数

落車率(%)

失格率(%)

A

156562

5.62

4.35

S

46963

9.48

5.78

S級の方がA級より明らかに落車、失格とも多くなっています。

落車率で1.69倍、失格率で1.33倍です。

S級はレースは激しいレースが多い印象があるので、その影響かもしれません。

開催グレードごとの発生率

S級戦をさらにグレードで分けて調べていきます。

グレード

レース数

落車率(%)

失格率(%)

F1

33643

9.02

5.51

G3

9692

9.89

5.77

G2

1586

12.80

8.13

G1

1899

13.01

8.79

落車、失格ともにグレードが上がる程増えていく傾向が見られます。

より上位の強い選手のレース程、落車は多いです。

特別では普通開催の2倍以上の頻度で落車失格レースが発生しているようです。

実際の落車事故について

競輪では落車事故で大怪我を負ってしまったり、命を失ってしまうケースもありました。

こちらでは、過去にあった落車事故と、つい最近起こってしまった落車事故について紹介します。

内田慶選手が一宮競輪場で落車事故

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2008年9月11に一宮競輪場で行われた第51回オールスター初日の第7レースで内田慶選手が落車し、死亡いてしまいました。

内田慶選手は3コーナー付近でほかの選手と接触して落車し、うつぶせのまま吐血して動けなくなってしまいました。

競輪場に待機していた医師が応急処置を施しましたが、心肺停止状態となりました。

直ちに心臓マッサージを施しながら最寄りの大雄会病院に搬送されましたが、同日の午後3時59分に死亡が確認されました。

死因は外傷性くも膜下出血でした。

内田選手は持ち前の持久力を武器に活躍し、近況は、しぶといさばきを身上に追い込み選手として大レースの常連となっていた選手です。

今年7月20日、四日市競輪場でのサマーナイトフェスティバル(G2)で決勝に進出し4着(同着)と好成績も残していました。

今後の成長が楽しみな関東の若手でしたが、不慮の事故で命を落としてしまいました。

また、自転車競技の世界でも長距離種目で実績を残していました

03年から全プロ自転車競技4キロ個人追い抜きで6連覇。

ナショナルチームでも04、05年にわたってW杯を転戦して入賞歴も多く、競輪だけではなく競技者としても期待されていました。

突然の事故によって、オールスター競輪参加選手の間に動揺が広がり、12日の開催が危ぶまれましたが、他の選手から「こんな時こそ、内田選手のためにもレースを全うしよう」との声が出て開催実施が決定されました

12日には事故のあった3コーナー付近で安全祈願を行い、訪れたファンのための献花台が設置されました。

また、施行者側も、常駐医師を2人に増員、最寄り消防署から救急救命士を待機させて安全対策に努めることとなりました。

林選手が不整脈で心肺停止して落車

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こちらは、つい先日に起きてしまった落車事故のニュースです。

2019年9月13日に松阪競輪場で開催中の第35回共同通信社杯競輪初日2Rで落車事故が起きてしまいました。

林雄一選手は、レース終了後のゴール線通過後の1コーナー付近で自ら落車してしまいました。

そして、うつぶせのままバンク内に倒れ動かない状態になりました。

意識を失い、一時は心停止の状態になったことで松阪市内の病院に緊急搬送されました。

診断の結果は脳梗塞、心筋梗塞、大動脈解離ではなく、運動誘発性不整脈による心停止とみられたようです。

午後5時50分時点での状況はHCU(高度治療室)で気管を挿入して呼吸器により呼吸管理を行っているそうですが、意識は戻っておらず予断を許さない状態にあったそうです。

その後のニュースでは、会話ができるまでは回復したようで、一安心というところです。

まとめ

競輪 落車

今回は競輪の落車とは何か、その危険性、落車が起こりやすい条件などについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。

落車事故は選手生命が終わってしまうことにも繋がる非常に危険な事故です。

車券を購入していて、落車によって車券がゴミになったとしても、選手に罵声を浴びせるのはやめておいたほうがよいですね。

また、落車事故の起きやすい条件ですが覚えておいた方が良いのは下記の2つです。

・バンク長や天候など外部環境の要因の落車率への影響は小さい。
・級、開催グレードが上位、強い選手が集まるレースほど落車率は高い。

この2つをお覚えておき、落車の可能性も予想の要素として考えるのも面白いかもしれません。