みなさんは、女子のケイリン競技で歴史的な快挙を成し遂げた、梶原悠未(かじはら ゆうみ)という選手を知っていますか?
彼女は、現在22歳で大学を卒業したばかりの女子ケイリン選手です。
梶原悠未さんは、なんと2020年のオムニアムの世界選手権で優勝しました。
この優勝は日本人で33年ぶりで、女子選手でオムニアムの世界チャンピオンになったのは地上初の快挙になります。
海外の元金メダリストやトップ選手を抜き、堂々の優勝を手にしています。
マスコミやメディアでも大きく取り上げられ、ケイリン界に新しい歴史をつくりました。
来年のオリンピックにも代表選手として出場する可能性が濃厚な選手なので、注目の選手です。
今回は、そんな梶原悠未選手の魅力とケイリンで世界チャンピオンになった道のりを交えながら紹介します。
目次
ケイリン選手の梶原悠未(かじはら ゆうみ)とはどんな選手?
競輪選手には、日本の公営ギャンブルなどで参加する選手も居ますが、世界選手権などに参加する トラックレーサーの選手も存在します。
梶原悠未(かじはら ゆうみ)は、1997年4月10日に生まれた女性で、現在23歳になります。
出身は埼玉県和光市で女子自転車競技選手で主に、オムニアムという自転車競技に参加しています。
彼女は、母と二人三脚でオリンピックで金メダルを狙う選手で、母の応援で育った梶原悠未選手は、必死で練習を続けており、二人の力で頑張っている選手です。
そんな彼女ですが、2020年に歴史的な快挙を成し遂げました。
詳しくは後ほど紹介しますが、まずは彼女が優勝したケイリンのオムニアムという競技から説明します。
オムニアムとはどんな自転車競技?
オムニアムは自転車のトラック競技の一つで1日間で4種目を行ないます。
各種目の順位によって与えられるポイント(1位40点、2位38点、3位36点)の合計が1番高い選手が勝利となります。
そのため、総合的に点数を取得しなくてはいけない過酷な種目です。
オムニアムの最終種目のポイントレースでは、レースの得点がそのまま加算されますので、最終レースは凄い白熱したレースが繰り広げられます。
オムニアムは、短距離の瞬発力と長距離の持久力の両方をつけて走らなくてはいけないため、身体能力が高くないと参加できない競技になります。
そのため、スプリンターのように短距離を速く走ることが得意な選手は、スタミナをつけて長距離にも対応できるように練習を行います。
また、2012年ロンドン大会からオリンピックの正式種目となりました。
そのため、梶原悠未選手も2020年の東京オリンピックを目指して挑戦しています。
種目に関しては、下記の4種目行いますが、万が一どれか一つでも欠場してしまうとそれ以降のレースは出場できません。
■ スクラッチ(男子10km、女子7.5km)
■ エリミネイション(男子25km、女子20km)
■ テンポ・レース(男子10km、女子7.5km)
■ ポイント・レース(男子25km、女子20km)
2020 史上初の女子オムニアムで世界チャンピオン誕生
梶原悠未は女子ケイリン選手で歴史に残る快挙を成し遂げました。
2020年の2月29日、ドイツのベルリンで開催されたオムニアムの世界選手権で、大会3日目に梶原悠未は優勝しました。
この優勝は、日本人で33年ぶりの優勝となり女子ケイリン選手では初めての快挙になります。
世界王者の証として、虹色のアルカンシェルジャージが贈呈され満面の笑顔でインタビューに答えていまいした。
オムニアムはケイリンの競技で現在はオリンピックの正式競技になっています。
そのため、彼女は2020年の東京オリンピック代表選手としても活躍が期待できるでしょう。
今回の世界選手権には、2年連続世界チャンピオンのキルステンウィルトや2大会連続オリンピック金メダリストのローラケニーが参戦しました。
梶原悠未選手は、最初から猛攻を見せて得点を稼いでいき、結果は最終種目ポイントレース前の時点で2位と20ポイント差をつけていました。
素晴らしい展開で、種目を勝ち進んだ彼女は、見事そのまま優勝します。
梶原悠未の過去成績
■2014年
・ジュニア世界選手権自転車競技大会・ポイントレース 2位
・全日本選手権ロードレース・女子ジュニア + U-17 優勝
■2015年
・ジュニア・アジア自転車競技選手権大会
・ポイントレース 優勝
・団体追い抜き 優勝( 鈴木奈央、橋本優弥、古山稀絵)
・個人追い抜き 優勝
・個人ロードレース 優勝
・個人タイムトライアル 優勝
・ジュニア世界選手権自転車競技大会トラックレース
・ポイントレース 2位
・団体追い抜き 3位
・世界選手権自転車競技大会ロードレース
・ジュニア女子ロードレース 4位
■2016年
・全日本選手権個人タイムトライアル 2位
■2017年
・UCIトラックワールドカップ 第2戦 女子チームパーシュート3位(日本チームの一員として参加)
・UCIトラックワールドカップ 第3戦 女子オムニアム 優勝 金メダル(全4種目1位の完全優勝)
・日本の女子自転車競技選手として、オリンピック・世界選手権・ワールドカップの自転車競技全種目を通じて、史上初の金メダル
・UCIトラックワールドカップ 第4戦 女子オムニアム 優勝 金メダル
■2018年
・全景贵州女子国际公路自行车赛 (Panorama Guizhou International Women) Jersey green.svgポイント賞(第2、4、5ステージ優勝)
・全日本選手権個人タイムトライアル 優勝
■2019年
・The 60th Anniversary Thai Cycling Association Jersey yellow.svg総合優勝(第2ステージ優勝)
■2020年
・世界選手権女子オムニアム Jersey rainbow.svg優勝
梶原悠未のケイリン選手までの道のり
梶原悠未選手は、小学生のころは水泳に精を出していた元気で活発の女の子です。
その頃は何事にも負けず嫌いで、全国大会に出場できなかったことをずっと悔しんでいたようです。
そして、筑波大付属坂戸高校に進学した時から、自転車の競技の興味を持ち水泳を習いながらケイリンの練習も始めたようです。
そして、肉体も精神力も強くなり大学の進学の時に自転車競技で世界一になる!と心に決めてケイリンのトラック競技に進みます。
ケイリンを本格的に練習を始めると凄まじい勢いで、頭角を現して成長していきました。
その後、ジュニアで世界の表彰台に乗るようになっていった選手です。
もともと、スポーツ万能だったこともありますが、彼女の凄さは負けず嫌いの精神力です。
どんなに苦しくても諦めずに、進む彼女の気持ちが世界で戦える選手になった要因ではないでしょうか。
大学の進学は世界一のケイリン選手になるため
高校生でケイリンの魅力とスポーツセンス抜群の梶原悠未選手は、大学進学の時に進路を悩みます。
通常なら、大学を進学する時には強豪校に進学を考えますが、彼女は「大学の大会のためではなく、世界一になるための練習ができる環境を求めて」逆に専門のコーチが存在していない筑波大体育専門学群に進学を決めたのです。
その専門のコーチが居ない大学へ自ら進学する彼女の精神の強さと、自分で全てをやる!という自信が素晴らしいと思います。
その後も、コーチを付けずに自分で練習メニューを考えて、大学2年ではワールドカップのオムニアムで初優勝したり、4年ではワールドカップを2連覇しています。
専属のコーチはいらない!自分でやる
そもそもスポーツの世界で、金メダルを取るような才能のある選手たちは、有能な指導者がいるから自分の才能を最大限発揮できるものだと思います。
しかし、梶原悠未選手は違います。
コーチを付けずに、自分で競輪のデータを取りながら練習メニューを考えて己に勝つことを考えていました。
通常なら、体にセンサーを付けて、短距離や中距離のペース配分を調整するような練習をしますが、梶原悠未選手は専門のコーチが居ないので、自分の感覚で統計を取りながら考えたようです。
最新機器やデータを無視して厳しい練習をすることで新しいことを得るといった感覚でしょう。
梶原悠未選手は「自分の心の弱さが許せなくなる」インタビューで語っており、精神の強さと負けず嫌いが常に備わっていました。
自分の感性で成長をし続けた梶原悠未選手は、天才とも言って良いでしょう。
梶原悠未の家族構成(父・母・兄弟)について
梶原悠未選手の家族はどんな構成なのでしょうか?
梶原悠未選手のご家族は、父・母・弟の4人家族になっています。
その中でも、母は常に梶原悠未選手を応援し、そばで見てきたようです。
子どもの頃は水泳で全国大会に出場するレベルの選手に選手になり、その後は競輪競技に興味をもって進学できたのは、家族の支えがあったからでしょう。
スポーツ界では、世界で認められる選手になるためには、本人だけで無く家族の支えが必要になります。
そこで、母親の熱い声援や徹底した食事管理から育て上げたことが今に繋がりました。
まとめ
今回は、女子ケイリン選手の梶原悠未さんについて詳しく説明しました。
ズバ抜けたケイリンの才能と、短距離でも長距離でも戦える身体能力は素晴らしいことが解ったと思います。
また、強い精神力で専属のコーチを付けずに練習を重ねて自分のちからで勝ち上がりました。
2020年には、史上初の女子オムニアムで世界チャンピオンにもなり、メディアにも多く報道された選手です。
しかし、2020年に東京で予定していたオリンピックは、新型コロナウイルスに影響で一年延期になったしまいました。
東京オリンピックの女子代表選手としてほぼ確定していた梶原悠未選手は非常に残念だと思います。
でも、来年には彼女の素晴らしい走りがオリンピックで見れると思いますので、金メダルをぜひ取得してほしいと思います。