競輪をはじめたばかりの初心者のなかには、自分なりに予想を考えても「なかなか的中率が上がらない」と悩んでいる方も多いかもしれません。
競輪には「ライン」「競走得点」「脚質」「戦略」など、さまざまなファクターがあり、それらの知識をしっかりと理解しなければ的中率を上げるのは難しいでしょう。
自分なりに予想を考えるのもあながち間違いではありませんが、しっかりとした基礎知識に沿って予想を考えなければ意味がありません。
そこで、当記事では競輪初心者に向けて的中率を上げるための3つのポイントを解説します。基礎的な内容にはなりますが、どのようなレースでも応用が効くので、ぜひ覚えておきましょう。
目次
ポイント①的中率アップにはラインが重要
競輪は選手個人が1着を目指す競技ですが、実は「ライン」と呼ばれるチームのような編成を組みながらレース中盤まで走ります。その一番の理由は走行中の空気抵抗です。
競輪のレースでは時速60km~70kmほどの高速で走るため、先頭を走っている選手はどうしても空気抵抗を大きく受けて不利になってしまいます。そのため「ライン」を組んで空気抵抗を減らしているのです。
さらにほかのラインが前に来ないようにブロックしたり、さまざまな理由があり、お互いに協力しあえるからこそ、ラインを組むのです。
また「個人戦なのになぜチームを組むのか?」と思いがちですが、レース終盤にはラインを解散させて一人ひとりの選手は自分の勝利のために走ります。
以下ではライン内の役割やラインの組まれた方、予想する際のポイントを紹介します。
ラインには種類や順序がある
ラインの人数に関しては二人~四人などさまざまな種類があります。そして、ライン内のポジションによって呼び方も異なります。そんなライン内のポジションの呼び方は以下の3つです。
- 自力選手
- 番手選手
- 三番手選手
それぞれの選手がどのような役割を持っているのか解説します。
自力選手
「自力選手」とは、風の抵抗を一番に受ける先頭を走りながら、後方を走る選手の風よけとなる役割をになっています。やはり一番先頭を走るため、風の抵抗が強く、スタミナを激しく消耗してしまうでしょう。
そのため、「自力選手」にはスタミナが強く、スピードやダッシュ力のある選手が求められます。
また自力選手を担当するのは、スタミナとスピードを兼ね備えているベテランの選手が担当したり、スタミナ切れを起こさないような若手選手が担当する傾向が多いです。
さらに先頭を走っているだけあって、そのポジションのままゴールということも少なくなく、車券に絡みやすい特徴も持っています。
番手選手
番手選手は自力選手の後方を走る選手です。つまりライン内で言えば、二人目にあたるポジションです。
自力選手が風の抵抗を防いでくれているため、番手選手は風の抵抗によるスタミナ消耗を気にせずにゴールを目指せます。スタミナを温存できるだけだと一番有利なポジションのようにも感じますが、番手選手はラインの外側からくるほかのラインをブロックする役割も担っています。
けん制したり、身体を使ってブロックしたりと、競輪ならではの激しいぶつかり合いを見せるのも番手選手が多いです。
基本的に番手選手は「差し」「まくり」「マーク」のような決まり手を得意としているため、瞬発力に長けている選手が担当します。
三番手選手
三番手選手は番手選手のように、風の抵抗を気にせずに走りながら、内側からラインが攻めてこないように守る役割をになっています。
競輪のレースでは、いかに短距離を走行できるかがレースの勝敗を分ける鍵になります。そのため、バンクの内側を走り続けられることこそが、非常に重要です。
また三番手選手は「まくり」や「マーク」の決まり手で勝利することが多いのです。しかし走行中のポジションが3番目なので、自力選手や番手選手を一気に抜かすような脚力がなければ勝利することが難しく、車券には絡みづらいポジションとおぼえておきましょう。
ラインは各地方の選手で組む事が多い
ラインを組む条件に関してはさまざまなものがありますが、基本的に以下のような同じ県あ同じ地区で組む傾向が多いです。
- 北日本ライン:北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島
- 関東ライン:東京・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨・長野・新潟
- 南関東ライン:神奈川・千葉・静岡
- 中部ライン:愛知・岐阜・三重・富山・石川
- 近畿ライン:京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌・福井
- 中国ライン:広島・山口・岡山・島根・鳥取
- 四国ライン:愛媛・香川・徳島・高知
- 九州ライン:福岡・熊本・長崎・佐賀・大分・鹿児島・宮崎・沖縄
基本的に同じ地区でラインが組まれる理由としては、お互いのクセや特徴を知っている選手同士のラインのほうがラインそのものの力がアップするからです。
もし、お互いのクセや特徴を知らなければライン内でどのような動きをするのが一番良いのかを迷ってしまいますよね。
そのため、どのようなラインが組まれるのかを予測する際には、出走表の登録地区を確認するのがよいでしょう。また、レース前の脚見せではレース本番と同様のラインを組んで走るので、最終チェックも欠かせません。
競輪のラインから予想するポイント
初心者に覚えてほしいラインの仕組みや役割は上記で説明したとおりです。そして、ラインの先頭を走る自力選手が車券に絡みやすい傾向もあるので、自力選手を軸にすると的中率がアップするかもしれません。
ほかには、
- 自力選手はどんなタイプなのか
- 競走得点は高いのか
- 逃げ切る確率はどのくらいか
- 番手選手・三番手選手との相性は良いのか
などの要素も加えながら予想を考えてみてください。
ポイント②選手能力が数値化されたデータを確認しよう
的中率を上げていくためには、選手の能力をしっかりと把握することが大切となります。そして、選手の能力を初心者でも簡単に確認できるのが「競走得点」です。
この「競走得点」とは、直近4ヶ月選手のレース結果や成績によって加算されるポイントのようなもので、出走表に書かれている競走得点が高い選手ほど最近レースで良い成績を残している選手ということです。
また競輪には実力ごとに所属している階級というものがあります。
デビューした当初は「A級3班」から始まり、レースの成績に寄って「A級2班」→「A級1班」「S級2班」→「S級1班」→「S級S班」へと昇格していくのです。
同じレースであっても必ずしも同じ階級同士の選手が競いあう訳ではないため、選手の中に上位の階級の選手がいれば積極的に狙ってもよいでしょう。
競輪の競走得点・階級から予想するポイント
競輪は鍛え抜かれた脚を使って勝敗を争うレースなので、実力がレースの勝敗を大きく左右させます。そのため、予想する際には「競走得点」や「階級」から選手の実力を把握するのが的中率アップするためのコツとなります。
これらから予想するポイントは以下のとおりです。
- 競走得点がずば抜けて高い選手がいれば軸にする
- 自力選手同士で競走得点の差が開いている場合には要注意
- 階級を見比べて上位の階級の選手を軸にする
- 競走得点の高い選手の連対率を比較する
これらの内容をしっかりと意識しながら予想を考えてみましょう。
ポイント③競輪場の特徴と選手のタイプの関係を理解しよう
競輪初心者が的中率アップを目指すのであれば、競輪場と選手のタイプの関係を理解しましょう。現在、全国に43カ所の競輪場が存在していますが、すべてとして同じ作りの競輪場は存在していません。
バンクの距離に関しても333mバンク・400mバンク・500mバンクの3種類がありますが、どの競輪場にも特徴があり、得意としている選手のタイプも異なります。
たとえば、当たり前ですがバンクの距離が長い競輪場であればスタミナの高い選手が有利だったりします。
いくら競走得点の高い強い選手だったとしても、競輪場の特徴にあっていなければ勝利に近づくことないでしょう。そのため、競輪場の特徴と選手のタイプの関係を理解するのは予想するうえで非常に重要です。
ちなみに、「逃げ」「差し」「まくり」が決まりやすい競輪場のランキングは以下の通りです。
逃げが決まりやすい競輪場TOP5
- 1位 防府競輪場:27%
- 2位 松戸競輪場・奈良競輪場:25%
- 3位 前橋競輪場・富山競輪場:24%
- 4位 伊東競輪場・佐世保競輪場:23%
- 5位 西武園競輪場・大垣競輪場:21%
差しが決まりやすい競輪場TOP5
- 1位 宇都宮競輪場:66%
- 2位 千葉競輪場・大津競輪場:64%
- 3位 大宮競輪場・熊本競輪場:62%
- 4位 豊橋競輪場・川崎競輪場・小松島競輪場・武雄競輪場:60%
- 5位 宇都宮競輪場:59%
まくりが決まりやすい競輪場TOP5
- 1位 富山競輪場:40%
- 2位 奈良競輪場:33%
- 3位 松戸競輪場・静岡競輪場:32%
- 4位 前橋競輪場・福井競輪場・小田原競輪場:31%
- 5位 防府競輪場・岸和田競輪場・名古屋競輪場・四日市競輪場・京王閣競輪場:29%
まとめ
以上、当記事では競輪初心者が的中率をアップするためのポイントを3つ紹介しました。
「選手のライン」「競走得点と階級」「競輪場の特徴」の3つのポイントをおさえれば、競輪初心者でも的中率アップにつながっていくでしょう。
必ず的中するということはありませんが、初心者の方は適当な予想をせず、競輪の予想のコツをしっかりと理解して、予想に挑むようにしましょう。